いまさら聞けない! 株・債券に代わる「オルタナティブ投資」とは?

個人投資家の新しい投資オプションとして注目

近年、「貯蓄から投資へ」というスローガンが浸透しつつあるなかで、預金だけではない資産運用の方法について検討している人も多いかと思います。「投資」と聞いて一般的に思い浮かぶものは債券・株式の運用だと思いますが、ヘッジファンド・不動産などへの投資やソーシャルレンディングといった「オルタナティブ投資」という新たな投資形態も注目を集めています。

そこで、今回はこの「オルタナティブ投資」にはどのようなものがあるかについて考えてみます。

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オルタナティブ投資とは

オルタナティブ投資は「代替投資」とも呼ばれ、株式や債券といった伝統的な投資手法以外の投資の総称となっています。そのため、どこまでが「オルタナティブ投資」なのか、その定義は明確ではありません。具体例には、不動産やコモディティといった実物資産、ヘッジファンドなど、幅広い投資対象が挙げられます。

  • 実物資産(リアルアセット):主に不動産に投資する。流動性(現金への換えやすさ)が極めて低く、投資資金の回収は長期間に及ぶ
  • プライベート・エクイティ:未上場・非公開(プライベート)の株式に対する投資
  • ヘッジファンド:株式市場の値動きに関係なく、絶対リターンをめざす投資手法。市場価格のゆがみなどを利用して利益を得る
  • ソーシャルレンディング:インターネットを通じて資金需要者に資金を貸し付け、金利による収益を得る

オルタナティブ投資のメリット・デメリット

なぜ、これらのオルタナティブ投資が注目を集めているのでしょうか。その理由を紐解く鍵は「分散効果」にあります。

資産運用の基本は、資金を複数の金融商品に分けて投資することでリスクを分散する「分散投資」です。よく用いられる例え話として、「卵を1つのかごに盛るな」というものがあります。

全ての卵を1つのかごに入れてしまうと、かごを落とした時に全部割れてしまうので、複数のかごに分けて入れることで、1つかごが落ちても他のかごの卵が割れないようにしましょう、という話です。同じように、資産も1つに集中せず、いくつかに分けて投資することでリスクを分散させることができます。

従来は、資産を株式と債券に分け、また投資地域を世界各地に分散することで、この「分散投資」を実現するのが一般的でした。しかし、グローバル化が進み世界の各地域の証券市場が同じ動きを見せるようになったため、この手法では以前ほど分散効果を得られなくなりました。

そこで、市場の動きにあまり反応しない資産に注目が集まり、これらの資産に投資することで高い分散効果が得られることが知られるようになったのです。上述の実物資産は、市場の値動きにあまり影響を受けない資産の一例としてイメージしやすいかと思います。
 
オルタナティブ投資には、一方でデメリットも存在します。まず、株や債券への投資に比べて仕組みが複雑であり、一般の投資家にとって理解しづらい点が挙げられます。また、実際にどのように投資が行われているかといった透明性が、株・債券投資に比べ欠如しているという指摘もあります。

さらに、現金に換えられやすいかどうかを意味する「流動性」が低い(つまり現金に換えにくい)という特徴もあります。実物資産投資・未上場企業への投資などは低い流動性の典型例です。

オルタナティブ投資の例

以上、オルタナティブ投資の概要について説明しましたが、具体的な投資手法について、もう少し詳しく掘り下げたいと思います。ここでは、(1)実物資産投資、(2)プライベート・エクイティ、(3)ソーシャルレンディングを取り上げます。

(1)実物資産投資

実物資産(リアルアセット)投資とは、不動産やインフラなどへの投資を指します。市場の値動きとの相関は低いので、分散効果が期待できます。しかし、投資資金の回収には長期間を要するため、流動性は極めて低いというデメリットがあります。

また、こうした不動産などへの投資は、一部の富裕層のみが対象なのでは、と考える方も多いかと思います。

ただ、実物資産投資の分野では、不動産投資信託であるREIT(Real Estate Investment Trust、リート)の登場により、多くの投資家が小額から購入可能なものも存在します。REITは、公募により投資家から集めた資金でオフィスビルやマンション、商業施設といった不動産を購入し、そこから発生した売却益や家賃収入を投資家に分配する金融商品となっています。

(2)プライベート・エクイティ

プライベート・エクイティは、未公開(未上場)の企業に対する投資を意味します。創業して間もないベンチャー企業などに投資し、さらに運用会社が積極的に経営にかかわることで、通常の株式投資よりも高いリターンを目指します。未上場であるため、市場の値動きとの相関が低いのが特徴です。

一方、上場企業に比べ事業や経営に関するリスクが高いというデメリットもあります。また、長期間の運用が前提となるため、流動性はやはり低くなっています。

(3)ソーシャルレンディング

ソーシャルレンディングは、資金供給者と需要者を、インターネットを通じてつなげることによって資金の流れを作っているサービスです。具体的には、運用会社が投資家から集めた資金を資金需要者に貸し付け、その利子が投資家に利益として還元されるという仕組みです。

 

クラウドクレジットHPより

このソーシャルレンディングが注目されている理由は、ほかの金融商品と相関関係の薄い新しい資産運用法であり、かつ債券や預金よりも利率がずっと良いためです。一方で、貸付先の倒産リスクがあることや、元本が保証されないといった理由から、ソーシャルレンディングはミドルリスク・ミドルリターン(中リスク中リターン)と言うことができます。

低金利の環境下、預金など安全資産では大きなリターンを得ることが難しくなっています。株式投資に加え、今回紹介した「オルタナティブ投資」によって分散効果を高めることで、リスクをヘッジしながら相対的に高いリターンを狙う、という選択肢も考えられるのではないでしょうか。

以上、投資型クラウドファンディングを通じて世界のお金の流れを変えるクラウドクレジットでした。

参考文献
山内英貴『エンダウメント投資戦略』(東洋経済新報社、2015年)
山内英貴『オルタナティブ投資入門(第3版)』(東洋経済新報社、2013年)

クラウドクレジット

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クラウドクレジット

世界の資金需要者と個人投資家をつなぐ金融プラットフォームをつくるフィンテック企業として2013年1月に設立。
2014年6月から投資型クラウドファンディング・サービス「クラウドクレジット」を提供。当初はラテンアメリカのペルーに投資を行うファンドを提供し、2015年からはフィンランドやスペインをはじめとする欧州諸国の個人向けローンに投資を行う。
2016年はアフリカでの投融資を開始し、五大陸で投融資を行うプラットフォームになることを目指す。