2. 政府に要望する時は「喜んでコストは負担しますから」と言うべき

「介護従事者がかわいそうだから、給料の引き上げを」「介護士が足りないから給料を上げて人を増やしてくれ」といった政府への要求をする人は多いです。

しかし、政府に何か要求すれば、「自分たちの負担も増える」というところまで考えない日本人は少なくありません。

「介護従事者の給料を上げるための費用は国債を発行して賄え」というのでは、無責任でしょう。財政支出を国債で賄うのは、景気対策として必要な場合に限るべきです。

3. いま我々に求められる「覚悟」とは

これまでは、失業者が多く、景気対策が必要な時期が長かったですが、今後は少子高齢化による労働力不足の時代ですから、失業問題が深刻化せず、したがって国債発行も抑制されていくと覚悟する必要があるでしょう。

つまり、「介護従事者の給料を引き上げよう。そのために介護保険料の負担が増えることには喜んで応じます」と、こちらも覚悟を表明しなくてはなりませんね。

将来介護を受ける可能性は誰にでもありますから、介護士不足を解消するというのは自分のメリットになる話です。費用を惜しむべきではないでしょう。

余談ですが、介護従事者と同様に保育士についても、給料を引き上げるべきだと筆者は考えています。

保育士の不足は、働き盛り世代の「育児と仕事の両立」を阻みます。結果的に日本経済全体の労働力不足が深刻化し、経済成長の妨げに繋がる可能性もあるのです。将来我々が受け取る年金が減るかも知れませんね。

こう考えれば、保育士の給料を上げるのも「自分ごと」と捉えることができるでしょう。