食べ放題のレストランが大食い客ばかりでも儲かる理由

変動費と固定費で考える

今回は、食べ放題のレストランが大食い客ばかりでも儲かる理由について、久留米大学の塚崎教授が解説します。

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食べ放題のレストランは、食欲旺盛な客ばかり来店して思い切り食べるのに、赤字にならないのでしょうか。今回は、企業の収益について考えてみましょう。

企業の費用には、変動費と固定費がある

レストランの費用を、材料費とそれ以外(店を借りる費用、正社員の給料、等々)に分けて考えてみましょう。材料費は、客が食べた分に比例して増えていきますが、それ以外の費用は客が来ても来なくても増減しません。前者のように、客の来店数あるいは店の収入等に比例して増える費用を変動費、後者のように客数等と無関係な費用を固定費と呼びます。

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レストランのコストに占める変動費の割合は、普通の人が考えているよりも低いと言われていますので、本稿では3割強としておきましょう。普通のレストランでは、客は1500円の料理(変動費500円)を食べるとします。客が1人来るごとに、収入が1500円増え、コストが500円増えますから、差し引き1000円の利益となります。

一方で、このレストランの固定費は10万円だとします。客が1人も来ないと、10万円の赤字になります。客が1人来るごとに赤字が1000円ずつ減っていき、客が100人になると赤字が消え、それ以降は利益になる、というわけです。

2人分の料金で3人分食べる客は、むしろありがたい

食べ放題のレストランでは、客が2人分の料金を払って3人分の料理を食べるとします。客は大満足ですが、実は店も大満足なのです。3000円の収入に対し、変動費は1500円だけですから、客1人につき1500円の利益となるからです。

ニュースレター

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塚崎 公義


1981年 東京大学法学部卒業、日本興業銀行(現みずほ銀行)入行
おもに経済調査関連業務に従事した後、2005年に退職し、久留米大学へ
(近著)
なんだ、そうなのか! 経済入門
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経済暴論: 誰も言わなかった「社会とマネー」の奇怪な正体
一番わかりやすい日本経済入門
(雑誌寄稿等)
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