PhotoshopでAIを使ったアップデートがアナウンスされましたね。選択した部分に「猫」とテキストで指示すると猫が合成されるという画期的な機能ですが、実はAI技術がすごいのはPhotoshopだけじゃないんです。

Topaz Photo AIは独自の学習によって人の顔や草むらなどを正確に再現できる画像処理アプリ。これがあれば昔の思い出を高画質にしてキャンバスにしたりできちゃいます!フォトグラファーとして仕事を受ける私も必携のソフトになっています。

【昔の思い出を高解像度に!】精度が急上昇しているTopazのソフトウェア

最近のソフトウェアの進化は早すぎますね…。今まで同じTopazから出ているGigapixel AI、DeNoise AI、Sharpen AIの3つを愛用してきましたが、新しいこのPhoto AIは3つが1つにまとまっているだけでなく、機能も驚くほど向上していました。

画像元:Topaz公式サイト

すごいのはなんといってもその自然な再現力。これまでAIを使って解像度を上げる際はなんとなく見えている線をくっきりリライトするといったやり方をとっていたのですが、この方法だとはっきりはするんですが近くで見ると不自然になっているのがほとんどでした。

それが今では学習データが向上し、芝生のような細かい画像を6倍に拡大しても綺麗に再現されます。さらにすごいのが、Topaz Photo AIでは一連の処理をAutopilotと呼ばれる自動処理で行う点。人の顔なども認識して最適な学習データで再現してくれるので1枚にかかる手間が大幅に少ないのが特徴です。

筆者撮影

【昔の思い出を高解像度に!】圧巻のクオリティ、人の顔なら産毛まで再現

こうなると俄然やってみたいのが昔の写真の高解像度化。これが自然にできれば実家のアルバムを根こそぎデジタル化しておいて、何かの時に使えそう!そう思ってやってみたら、すごいクオリティで出来ました。

まず驚いたのは髪の毛。多少手ブレ感を感じますが、そこは元画像がガチピンでないので許容します。生え際に注目すると産毛のような細いラインがすごく自然に描画されていて感動ものです。

筆者撮影

そして目も解像度が上がるだけでなく人間らしく、柔らかな雰囲気を保ったまま鮮明に処理されています。

筆者撮影

鼻や口元の涎も自然そのもの。単純にディフュージョンモデルで鮮明化しているのではなく、顔として処理されているからこそのクオリティです。

筆者撮影

【昔の思い出を高解像度に!】鮮明化、拡大化、ノイズ低減が1度にできる

ここまで自然に見せるためには多少の微調整は必要です。前述したようにAutopilotでほとんどの場合は問題ありませんでしたが、顔の処理のかかり方がやや強めになる傾向。この辺りは学習データに欧米人が多いからなのかもしれません。

筆者撮影

ここまで処理した私の幼少期の写真では設定を21とかなり低めにしましたが、すごく自然で良い仕上がりになりました。同じような写真であれば一旦自然な仕上がりに調整した設定を他の写真に一括で適用するだけ。過去のたくさんの写真もサクサク高解像度化できて便利です。

ここまでに扱った写真は特段ノイズが多いものはありませんでしたが、写真を開いた際にノイズが多いと判別されれば自動でノイズ低減がオンになります。例えば古いデジカメ、スマホ、携帯のカメラで撮った写真などはノイズが出ているものも多いと思うのでそういったケースでは非常に役立つと思います。

さらにTopaz製品にはTopaz Video AIという動画用のソフトもあり、これを使うことで昔のビデオが4K解像度にできてしまいます。処理にある程度時間はかかりそうですが、こちらはさらに思い出保存の用途として重宝しそうです。

Topaz Video AIも試す機会があれば続報として記事にしたいと思います。

<製品情報>

  • 製品名:Topaz Photo AI
  • メーカー:TOPAZ LAB
  • 価格:$199

参考資料

木村 ヒデノリ