iDeCoの運用方法の選択
iDeCoで定期預金をするメリットとデメリットについて解説しましたが、実際にはどのようにして運用方法を選択すればいいのでしょう。
資産形成の考え方によって運用方法は違います。
●投資によって資産形成を目指す人は定期預金以外
長期の資金づくりには、投資によってお金を増やすことが効果的です。
毎月5万円を20年間運用(掛け金累計)した場合、利回りによって運用結果は大きく異なります。
1%、3%、5%で運用できた場合の運用益を【図1】~【図3】にまとめました。
- 毎年1%で運用:約1327万円(+127万円)
- 毎年3%で運用:約1641万円(+441万円)
- 毎年5%で運用:約2055万円(+855万円)
iDeCoの定期預金金利は0.01%~0.02%程度の商品が多いため、利息はほとんど期待できません。
ある程度の利回りで運用したいと考える人には、全額定期預金という選択肢はないと言えるでしょう。
●投資リスクを避けるなら定期預金も選択肢
収益性を犠牲にしてでも、投資リスクを避けて安全・確実に運用したいと考える人は、定期預金という選択肢もあります。
前述の通り、掛け金全額が所得控除されるため、節税効果が期待できます。
また、運用期間が短いほど投資リスクは高くなるため、高齢の人には定期預金が適しているケースもあります。
iDeCoのまとめ
iDeCoの税制上の優遇措置をフルに活かすには、定期預金以外の運用方法がおすすめです。
低金利のため、定期預金では運用益非課税というメリットが活かせないからです。
ただし、iDeCoで定期預金を利用すると、掛け金に所得控除が適用されるというメリットがあります。
投資経験や年齢(運用期間)、リスクの許容度などから、自分にあった資産形成の考え方を検討し、運用方法を選択しましょう。
参考資料
西岡 秀泰