日経平均は米利上げ警戒感から続落

2023年7月7日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は、前日比384円60銭安の3万2388円42銭となりました。4日続落です。6日の米株式市場ではダウ工業株30種平均が続落したことを受けて日経平均も売られました。6日に発表された米雇用指標が市場予想を大幅に上回ったことから、米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締めが長期化するとの観測が投資家の間に広がり、売りが出ました。

今週、日経平均はどのような値動きになるでしょうか。7日の米株式市場でダウ平均は3日続落し、前日比187ドル38セント安の3万3734ドル88セントで終えています。同日発表された6月の米雇用統計では非農業部門の雇用者数が前月比20万9000人増となったものの、市場予想(24万人増)には届きませんでした。一方、平均時給の伸び率は前月比0.36%と、市場予想(0.3%)を上回りました。時給の伸びが鈍らなかったことから、FRBによる利上げが長期化するとの見方が広がり、売られる流れとなりました。日経平均も週初から上値の重い展開になる可能性があります。

今週は12日に6月の米消費者物価指数(CPI)、13日に米卸売物価指数(PPI)が発表されます。これらの結果から、FRBによる利上げが長期化すると観測されれば、大きな調整局面になることもあるので注意が必要です。7月25~26日には米連邦公開市場委員会(FOMC)が開かれます。足元ではそろそろ利上げが落ち着くのではないかという楽観的な見方もありましたが、振り出しに戻り、かえって利上げ観測が固くなりました。

直近で気になるのが、円高・ドル安傾向が続いていることです。7日のニューヨーク外国為替市場で円相場は3日続伸し、前日比1円85銭円高・ドル安の1ドル=142円15~25銭で取引を終えています。足元で円安・ドル高が続いていたことから、自動車・機械など輸出関連銘柄が買われていましたが、円高が進むと下値圧力になります。

3カ月ぶりに25日移動平均線を割り込む

先週の日経平均の値動きをテクニカル面から振り返ってみましょう。中期的に見ると、日経平均は3月中旬から急上昇した後、高値圏でもみ合っていました。このもみ合いを上抜けてほしいところですが、なかなか抜けることができません。直近の戻り高値は6月19日の高値(3万3772円)です。週初3日には一時3万3762円まで上昇しましたが、その後は上値を抑えられて下落しました。

今後の展開はどうなるでしょうか。気になるのは、先週末の下落で、25日移動平均線を割り込んでしまったことです。ローソク足の実体が25日線を割り込むのは、4月上旬以来、ほぼ3カ月ぶりです。

ここからつるべ落としのように下落してしまうのでしょうか。判断の基準としては、まずは直近の押し安値である6月27日の安値(3万2306円)があります。先週末、若干ここも割ってしまったのですが、今週このあたりを回復できないと、短期的には目線は下になります。その場合、下値メドとしては、75日線のある3万500円付近となります。ただしそのあたりまででの押し目買いを狙っている投資家も多いため、75日線にタッチして反発という動きになることもあり得ます。

逆に、今週25日線を回復するようであれば目線を上に持って積極的に付いていきたいところです。

参考資料

下原 一晃