2023年8月15日は年金支給日でした。

老後生活において「年金」は大きな収入源となりますが、実は公的年金からも給与と同様に税金や保険料が天引きされることをご存知でしょうか。

公的年金の額面を見て全て支給されると思っている場合は、いざ振り込まれた手取り額をみて、ガッカリする人も少なくありません。

一方で、条件に該当する場合は、公的年金の額面から天引きされない人も一定数います。

支給される年金から天引きされる人と天引きされない人、その違いは何があるのでしょうか。

本記事では、各種天引きされる税金や社会保険料とともに、それらが天引きされない対象者について解説していきます。

そもそも「公的年金とはどのような仕組みか」も解説しているので、あわせて参考にしてください。

1. 日本の公的年金制度の仕組み

まずは、公的年金制度の仕組みについて改めて確認しておきましょう。

日本の公的年金制度は「2階建て構造」となっており、「厚生年金」と「国民年金」の2種類が存在します。

国民年金は、20歳から60歳未満の日本に住む国民全員が原則として加入するもので、保険料は一律(年度ごとに見直し)となっています。

年金額は納付期間によって異なりますが、40年間保険料を納付した場合、国民年金は満額受け取れ、満額を想定した際の2023年度の国民年金の受給額は「月額6万6250円(67歳以下の場合)」です。

一方で厚生年金は、国民年金の上乗せとして主に公務員や会社員などの「第2号被保険者」が加入するもので、保険料は報酬比例制となっています。

報酬比例とは、年金の加入期間や過去の報酬等に応じて決まるもので、多く稼いだり長く加入していたりするほど保険料を多く支払い、その結果受け取れる受給額が高くなるのです。

国民年金の受給額は一律であるのに対して、厚生年金は報酬比例となっていることから、加入期間や納付保険料によって受け取れる額の個人差が激しくなっています。

公的年金の種類や加入時期などによって、受け取れる金額が大きく異なるため「自分がどのくらいの年金を受け取れるのか詳しく知りたい」という方は、「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で確認することをおすすめします。

留意点として、上記に記載されている年金額は、今回紹介する「天引き」がされる前の金額となっているため、実際の手取り額はここからさらに少なくなる可能性があることも覚えておきましょう。