大阪の街が一変する可能性、なにわ筋線開業は吉と出るか

2031年の大阪はどのような姿に?

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2031年春、なにわ筋線が開業予定

大阪府・市などは本年、2031年春の開業に向け大阪の街を南北に貫くなにわ筋線の建設を決定しています。2031年というとまだ10年以上も先ですが、この路線は大阪の街を一変させる可能性を秘めています。

現在、大阪の街を南北に貫く路線の代表格は地下鉄御堂筋線ですが、なにわ筋線はこれを超える存在感を発揮することになるのでしょうか?

なにわ筋線とは

なにわ筋線とは、JR西日本と南海電鉄が一部共用する北梅田駅から新今宮駅に至る約7.4kmの地下路線。これが開業すると、難波から梅田を西側から繋ぐルートが新しく開設されることになります。

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鉄道としての目玉は南海電鉄の梅田乗り入れです。これまで南海電鉄は梅田に乗り入れる路線を持っておらず、梅田への進出が歴史的な悲願として知られていましたが、なにわ筋線の開業により遂にこれを達成することになります。

大阪に住み慣れると「南海電鉄といえば、なんば駅」というイメージを持ちますが、2031年からはそのイメージも変わることになりそうです。

梅田の中心が“うめきた”に移る?

グランフロント大阪の開業で一変した“うめきた”地区。現在も、うめきた地区では開発工事が続き、ヨドバシカメラの拡張工事も開始されています。

そして、うめきた地区の中心駅として予定されているのが2023年開業予定の北梅田駅。これまで大阪南部から梅田に出るには、南海電鉄から地下鉄御堂筋線に乗り換える必要がありましたが、なにわ筋線が開業すると大阪の南部から南海一本で乗り換えなしに梅田(北梅田駅)に出られるようになります。

また、なにわ筋線開業に合わせ、阪急電鉄も十三駅から北梅田駅への接続路線開業を検討しています。

レール幅の関係で、既存の阪急電鉄の路線はなにわ筋線への乗り入れができませんが、十三駅に地下ホームをつくって北梅田駅との間を結ぶ路線を建設し、JRや南海のレール幅に対応した車両でなにわ筋線に乗り入れるプランも出てきているようです。

こうした接続路線が開業すれば、阪急沿線から北梅田駅へのアクセスも確保されます。そうなると、阪急沿線住民の難波へのアクセス、南海沿線住民の梅田へのアクセスは大きく改善されることになり、大阪の人の流れが一変する可能性もあるでしょう。

さらに、現在は陸の孤島状態の中之島の西寄りエリアですが、ここになにわ筋線の新駅設置が予定されています。中之島では現在再開発プロジェクトが複数進んでいるため、なにわ筋線開業を契機に梅田と難波の間にある中之島が大阪市内における新しい活性化エリアとなるかもしれません。

懸念点は高齢化・人口減少のなかでの開業

恐らくこれまで通りの人口動態であれば、なにわ筋線の開業は歓迎ムード一色だと思います。しかしながら開業が予定されている2031年には、既に日本は人口減少・高齢化社会の真っ只中にあります。

大阪市も例外ではなく、今後急速な高齢化社会の到来が予想されています。そのため、なにわ筋線開業も、人口が減少し経済が縮小する中では良くも悪くもそれほど大きなインパクトを与えないかもしれません。

もしかしたら、なにわ筋線の開業は外国人旅行者に大人気の梅田スカイビルへのアクセスが大幅に良くなっただけ、という壮大なオチが付いて終わってしまう、そんな可能性も残念ながらあるのではないでしょうか。

とはいえ、大阪の中心部を通らずいつも空席が目立ち、何のために開業したのやらという陰口が絶えない地下鉄今里筋線のようにはならないとは思いますが。

まとめにかえて

なにわ筋線が開業すると、大阪南部から梅田へのアクセスは劇的に向上します。それにより、特に梅田界隈の姿は、うめきた地区の開発も相まって、大きく変わるのではないでしょうか。

街は時代によって姿を変えていくものですが、なにわ筋線の開業は大阪の街の風景を一変させる可能性を有しています。開業は2031年春とまだ先ですが、それによって大阪がどんな姿となっていくのか、楽しみに待ちたいと思います。

市場 夏知

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証券系投資会社を経て独立。株式市場分析、為替市場分析を得意とするが、為替市場の相対的な値動きに魅了され、現在は主にFXトレードを手掛けている。投資会社時代に培った分析力とレポーティング力を活かし、ライター業にも携わり複数媒体に寄稿中。
金融や企業分析を始めビジネス系のライティングを得意とするが、登山や食べ歩きが趣味でグルメ記事等の柔らか系の記事も執筆している。