秋祭りで食事をしても倹約できない?直撃する物価高

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Covid-19の感染拡大が深刻だった2020年から2021年は、各地の秋祭りも開催が中止されていました。

昨年くらいから徐々に復活し始めた秋祭りですが、おいしい食べ物を楽しみにやってきたイタリア人にとっては、不測の事態が起きています。それが物価高です。

イタリアにおける外食はかなり高くつきます。カルボナーラやリゾットなど日本人には人気のメニューも、一皿が10ユーロ以下で食べられるところは少なくなりました。

秋祭りで提供される料理は、地元の人々の手作りが多く、お皿もフォークもプラスチック。当然値段も安いというイメージが定着していたのです。

しかしその秋祭りのメニューの価格も徐々に上がり、家族4人で食べればレストランで食事をするのと変わらないというケースも。例えばポルチーニ茸の手打ちパスタは8ユーロくらいでも、メインのお肉料理は10ユーロといった具合。

秋祭りに店を出す団体も、自治体から割り当てられた参加費の高騰に頭を悩ませています。そのような事情で、開催そのものが危ぶまれるお祭りまで出てきました。

伝統的な秋祭りのいくつかが、コロナや物価高によって消滅の危機に瀕しているというニュースもよく目にします。

ビジネスは二の次!不況でも秋祭りを楽しみたいイタリア人

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食のお祭りの開催が経済的に厳しい自治体も多いようですが、なんとか残ってほしいと望んでいるイタリア人がほとんど。

都会の人たちにとっては、秋祭りはイタリアの豊かさを実感し、失われつつあるおふくろの味を堪能できる機会です。

また開催地の人にとっては、自分たちの町のアイデンティティでもあり、伝統が失われることは避けたいと強く望んでいます。

普段は町の広場に集まってのんびりとおしゃべりしている高齢者も、町のお祭りともなれば楽器を奏でたり、駐車場の整備にボランティアとして参加したり、町をあげてお祭りを支えます。

来る人にとっても迎える人にとっても意味を持つ食のお祭り。なんとか危機を乗り越えて、将来に残ってほしいと思います。

参考資料