青空市場には、カボチャやカキがお目見えする季節になりました。

イタリア人は農家さんによる直売市場が大好きですが、それはスーパーで食材を買うより安くて新鮮というメリットがあるためです。ところが市場通いをする人々の間でも、物価高を嘆く声はあちこちで耳にします。

イタリアを旅行したら、食事にはどのくらいお金がかかるのでしょうか。観光地と郊外の物価の違いにも触れながら、イタリアの物価事情を説明します。

イタリアでも物価高や価格の変動がニュースに

Sorbis/shutterstock.com

日本では物価の上昇がニュースになっていますが、イタリアも同じです。食べることが大好きなイタリア人にとって、オリーブオイルやパスタの値段の高騰は、まさにお財布を直撃しているといっても過言ではありません。

イタリア人はまた、旅行も大好きです。車に大荷物を載せて長距離移動する光景は日常的に目にしますが、ガソリンの1リットル当たりの値段が、2ユーロ(2023年9月現在のレートでおよそ314円)超えを記録。

11月1日の「諸聖人の祝日」から大型連休をとって旅行を計画しているイタリア人にとっては、大変な打撃になっているのです。

日本からイタリアを旅行する場合は、円とユーロのレートも気になるところ。旅行中に気になる消費のあれこれについて、具体的な数字を見ていきましょう。

おしゃれなバールで朝食を!一体いくらかかる?

Alessio Orru/shutterstock.com

イタリアの朝は、エスプレッソコーヒーの濃厚な香りから始まります。ホテルの窓を開け放ったときに感じるコーヒーの匂いに誘われて、イタリア風の朝食を経験するのも素敵です。

それでは、イタリアの朝食はどのくらいの価格なのでしょうか。まずイタリアでは、朝食はとてもシンプル。エスプレッソコーヒーやカプチーノなどと一緒に、「コルネット」や「ブリオッシュ」と呼ばれる甘いパンを食べるだけ。

飲み物としてメジャーなカプチーノの平均価格は、イタリアの北と南で差があります。イタリアでは南よりも北の方が物価が高いというのが、一般的なイメージです。また観光客が多い地域と少ない地域でもお値段の違いは一目瞭然。

イタリアの新聞各紙を参考にすると、ローマやミラノのカプチーノの価格は平均で1.5ユーロ前後。また甘いパンも値上がりが続いていて1.5ユーロ前後になっています。

これはあくまで平均で、ミラノのドゥオモ周辺やローマのコロッセオが見えるバールとなると、それなりのお値段に。

またイタリアのバールでは、立ち飲みのコーヒーと座っていただくコーヒーとでは、価格が変わるところもあります。このあたり、慣れない旅行者にはわかりにくいのですが、郊外のバールでは座席料金が発生しないケースも。

節約したい場合は、朝食を食べるスタイルにも気をつけて、バールの店員さんに確認するのがベターです。