敬老の日や秋分の日など、季節を感じる祝日が多かった9月。家族で集まり世代を超えて和やかに食卓を囲んだ方も多かったのではないでしょうか。また10月は園や学校の運動会シーズンですね。

シニア世代のみなさんであれば、お子さんやお孫さんと過ごす時間は大切な宝物。

ちょっとしたお小遣いやプレゼントなどの家族サービスは、老後を生き生きと過ごすためのいわば「必要経費」だったりするかもしれませんね。

そこでちょっと気になるのが「いまのシニア世代の年金事情」。今回は、公的年金のしくみや受給額事情を俯瞰していきます。

厚生年金でひと月20万円以上を受け取る人の割合、さらには夫婦世帯の年金額も、年金のタイプごとにシミュレーションしてみましょう。

1. 公的年金制度の仕組みをおさらい

わたしたちが老後に受け取る公的年金は、現役時代の働き方によって個人差があります。

とりわけ「基礎年金(国民年金)だけ」を受け取る場合、と厚生年金を上乗せでもらう場合では、その差は大きくなります。

まずはご自身がどちらの年金に加入しているのかを確認のうえ、仕組みを理解しておきましょう。

1.1 日本の公的年金制度は2階建て

出所:日本年金機構「国民年金・厚生年金保険 被保険者のしおり」(令和5年4月)、厚生労働省「日本の公的年金は『2階建て』」をもとにLIMO編集部作成

日本の公的年金制度は1階部分の「基礎年金(国民年金)」と、2階建て部分の「厚生年金」で構成されます。

1.2 基礎年金(国民年金):1階部分

基礎年金は年金制度のベースとなる部分。2階建ての年金制度の1階部分にあたり、国民年金とも呼ばれます。加入対象は、原則日本に住む20歳~60歳未満のすべての人です。

年金保険料は全員一律で、年度ごとに見直しされます。40年間の全期間、保険料を納めた場合、老後に「満額」の国民年金が支給されます。

第2号被保険者に扶養される配偶者を「第3号被保険者」といい、個人で保険料を支払う必要はありません。

1.3 2階部分「厚生年金」

年金制度に2階部分にあたる「厚生年金」は、基礎年金に上乗せする形で加入する年金です。加入対象は会社員や公務員などです。

厚生年金保険料は、毎月の給与や賞与などの報酬よって決められ、勤務先と折半して負担します。

老後に実際に受け取る年金額は、この保険料と年金加入期間によって決まるため、個人差が生じることになるのです。

2. 「基礎年金」2023年度の満額は6万6250円(月額)

厚生年金の年金月額に触れる前に、年金制度のベースとなる基礎年金についても知っておきましょう。

さきほど触れたとおり、国民年金は全員一律の保険料を支払い、40年間全ての保険料を支払った場合に「満額」を受けとることができます。

ちなみに、2023年度の67歳以下新規裁定者の国民年金の満額は月額6万6250円です。

出所:日本年金機構「令和5年4月分からの年金額等について

では、この国民年金(基礎年金)に、現役時代の報酬や加入期間によって決定する報酬比例部分が上乗せされる厚生年金の場合、どのくらいの支給額になるのでしょうか。