ビットコインのバブル度と問題点、7人の識者の見方

”進撃のビットコイン”、ライバルは法定通貨ではなく仮想通貨?

ビットコインの快進撃が続いており、次々と発せられる警鐘にもどこ吹く風といった様子です。そこで今回は、”進撃のビットコイン”に対する著名人の見方をまとめてみました。

8割がビットコインを「バブル」と回答

今年だけで約20倍に値上がりしているビットコイン。先週1週間だけでも20%上昇しており、当然にようにバブルが懸念されています。

CNBCが先週の米連邦公開市場委員会(FOMC)前に実施したフェドサーベイでもビットコインが取り上げられており、「ビットコインはバブルか?」との質問に80%がバブルと回答しています。ファンダメンタルズを反映しているとの回答はわずか2%で、17%が分からないと回答しています。

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同様に「ビットコインは通貨か?」との質問には、17%が通貨、66%が通貨ではない、17%が分からないと回答しています。

神様の審判は「バブル」

投資の神様、ウォーレン・バフェット氏はビットコインをバブルだと断言しています。ビットコインは価値を生み出していないので価値を評価するができないというのがその理由です。

また、仮想通貨には規制が存在せず、政府が管理しているわけでもないことから「全く信用ができない」とし、将来は破滅するだろうとも述べています。

ビットコインの神も危機感、「もはや通貨ではない」

ビットコインの神といえばロジャー・バー氏の名前を挙げる人が多いでしょう。Bitcoin.comの最高経営責任者(CEO)である同氏が2011年に2500ドルで購入したビットコインは、12月11日現在で4億2500万ドルになったと推計されています。

そのバー氏、ビットコインが既に通貨ではなくっていることに危機感を募らせているようです。同氏がビットコインを購入し、その普及に尽力してきた理由として、誰の仲介も経ないこと、すなわち仲介手数料なしでいつでも決済ができるこが魅力だったと述べています。

ところが、現在では決済のスピードが遅いことや手数料の上昇が問題視されており、決済手段としての普及を妨げることが危惧されています。ビットコインはバー氏が普及を目指した仮想通貨の姿からどんどんと遠ざかっているようです。

シラー教授「ビットコインにファンメンタルズはない」

行動経済学の草分け的な存在であり、2013年にノーベル経済学賞を受賞したロバート・シラー教授は「ビットコインは典型的なバブルであり、ファンダメンタルズはない」と指摘しています。

同教授によると、「サトシ・ナカモトという謎の人物が卓越した論文を書き、暗号技術によって革命的な通貨が誕生した」という「ストーリー」がビットコインの人気の秘密だと述べています。

また、「他人が儲けたという話を聞いて欲望に駆られ、よく考えもせず買ってしまう」ことをバブルの特徴として挙げており、これまでビットコインに距離を置いていた人も、急騰するビットコイン相場に興味を示す人が増えていることを懸念しているようです。

ただ、「市場は合理的ではない」との立場から、「バブルが常に間違っているとは限らない」とも述べており、「全資産をつぎ込むのは間違いだが、金額を限定して投資する分には問題ない」と寛容な姿勢も見せています。

ダリオ氏「通貨として問題」

世界最大のヘッジファンド、ブリッジウォーターを率いるレイ・ダリオ氏もビットコインはバブルだと認定しています。同氏はブロックチェーン技術の有用性を認めながらも、現在の仮想通貨は通貨としては問題があることをその理由に挙げています。

具体的には、現在のビットコインは巨額な取引には不向きであり、支払いも簡単にはできないことや価値保存手段に向いていないことが指摘されています。

ロゴフ教授「ビットコインはMySpace」

ハーバード大学のケネス・ロゴフ教授もビットコインはバブルとした上で、「MySpace」との類似性を指摘しています。

MySpaceはフェイスブックに抜かれるまで米最大手のSNSでしたが、その後は存在感とともに企業価値が低下しています。ビットコインは消費電力や匿名性などで問題を抱えており、こうした欠点を補う仮想通貨が登場することでビットコインは競争力を失うことになるだろうと述べています。

グリーンスパン氏「ビットコインは大陸紙幣」

グリーンスパン元米連邦準備制度理事会(FRB)議長はビットコインと大陸紙幣との類似性を指摘しています。

大陸紙幣とは1775年の米独立戦争時に独立派が発行した紙幣のことで、1782年には無価値になってしまうこの紙幣で当初は大量の武器を購入できました。

グリーンスパン氏は、最終的には無価値になってしまった通貨で本物の財を大量に購入できたという事実に注目しています。本質的には無価値なものでも価値があると信じ込ませることができれば、取引は成立するわけです。

同氏はビットコインにも大陸紙幣と同じことが起きていると考えているようです。

ウィンクルボス氏「まだ始まったばかり。さらに20倍」

フェイスブックのアイデアを巡ってザッカーバーグ氏と争ったことで有名なキャメロン・ウィンクルボス氏ですが、同氏が2013年に1100万ドルで購入したビットコインは現在も持ち続けていれば17億ドルを上回る(12月10日現在)と推計されています。

そのウィンクルボス氏によると、ビットコインの上昇は「まだ始まりに過ぎない。さらに20倍になる」と予想しています。

ビットコインは金(ゴールド)と同様に供給に限度があり、政府の発行する紙幣の信認が揺らぐことで金と同じ役割を果たすと指摘。ただし、ビットコインはその利便性で金を上回ることから、金に代わる安全な逃避先として資金流入が期待できると述べています。

ライバルは仮想通貨?

今月10日にシカゴ・オプション取引所(CBOE)に上場されたのに続き、18日からはシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)でもビットコイン先物の取引が始まりました。

規制の対象となる取引所に上場されたことで、これまでは参加を見送ってきた機関投資家の参戦も予想されており、今後とも激戦となりそうです。

今回取り上げた識者の意見からもうかがえるように、ビットコインがさまざまな問題を抱えていることは間違いなさそうです。

ビットコインのリスクとして法定通貨ではない点がしばしば指摘されていますが、ビットコインの敵となるのは法定通貨ではなく、ビットコインの問題点を解決する仮想通貨の登場ということになるのかもしれません。

投信1編集部

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