2. 65歳以上シニア世帯の「就業率」と「平均給与」は?

近年は、定年年齢の引き上げや定年制度の廃止、70歳までの雇用機会拡大など、シニアの労働環境が大きく変化しています。

働く高齢者を見かける機会も増えたように感じます。現に、高齢者の就業率は上昇傾向にあるようです。

内閣府の資料より、高齢者の就業率を見ていきましょう。

2.1 【65歳以上】シニアの就業率は上昇推移

内閣府「令和5年版高齢社会白書」によると、シニアの就業率は下記のとおり年々上昇しています。

【シニア世代は増加中】年齢階級別就業率の推移

出所:内閣府「令和5年版高齢社会白書」

60~64歳までの就業率は73%、65歳~69歳までの就業率は50.8%です。

また70歳以上でも、約34%と多くのシニアが働いています。もちろん「生きがい」のために働いている人もいるかもしれませんが、この増加は社会の大きな傾向ともいえるでしょう。

2.2 【65歳以上】働くシニア「65歳~69歳」の平均給与

2023年9月27日に発表された国税庁「民間給与実態統計調査」より、65歳~69歳の平均給与を見てみましょう。

【65~69歳の平均給与:342万円】年齢階層別の平均給与

出所:国税庁「令和4年分民間給与実態統計調査」

〈65~69歳の平均給与〉

  • 男性:428万円
  • 女性:227万円
  • 男女全体:342万円

男性においては、日本の平均給与となる458万円に遠くない水準の収入を得ていることになります。

なお、65歳は公的年金の受給開始年齢となりますが、希望すれば受給開始を遅らせることが可能です。年金を受け取りながら働くこともできます。

ただし、いずれも制度の隅々まで知らないと損をしてしまうケースがあります。年金受給とのバランスを考え、慎重に判断していきましょう。

3. 「年金」以外の収入についても検討してみて

物価の高騰が続くなか、公的年金だけで生活していくのは厳しいと思われた方も多いのではないでしょうか。

2024年からはNISA制度も新しくなり、昔と比べて資産運用が身近になってきました。

老後資金が不安だと思われた方は、国の税制優遇制度である「NISA」や「iDeCo」などの活用も検討してみてください。元本割れのリスクはありますが、長期的な目で資産運用をチェックしてみるのも一つの手だといえるでしょう。

参考資料

西村 翼