2. 老後にかかるお金はいくらか

老後には、いくらのお金がかかるのでしょうか。

総務省統計局「家計調査報告【家計収支編】2022年(令和4年)平均結果の概要」によると、65歳以上夫婦のみ無職世帯の月の平均支出は約27万円です。

年間にすると324万円のため、かなりのお金がかかることがわかります。

3. 夫婦で年金月22万円の世帯は貯蓄3000万円で充分か

老後にかかる支出額を確認しましたが、年金を月22万円受け取る夫婦は「貯蓄3000万円」で支出をすべて賄えるのでしょうか。

さきほど紹介した老後の一般的な生活費を基に、寿命ごとの必要な貯蓄額をシミュレーションしてみましょう。なお、夫婦ともに同じ寿命である場合を前提とします。

シミュレーションの結果は以下のとおりです。

出所:筆者作成

3.1 【寿命別】老後に必要な貯蓄額

寿命:支出合計:受給年金額合計:不足額(必要な貯蓄額)
75歳:3240万円:2640万円:600万円
80歳:4860万円:3960万円:900万円
85歳:6480万円:5280万円:1200万円
90歳:8100万円:6600万円:1500万円
95歳:9720万円:7920万円:1800万円
100歳:1億1340万円:9240万円:2100万円
*寿命は各年齢到達時とする

寿命が80歳の場合、900万円の貯蓄があれば生活費をすべて賄うことが可能です。また、100歳まで生きても、2100万円の貯蓄があれば、生活費をすべて賄えます。

そのため、年金受給額が月22万円の世帯は、貯蓄3000万円あれば一般的な水準の生活を安心して送ることが可能です。夫婦ともに100歳まで生きても、900万円の遺産を残せます。

4. 老後の生活をシミュレーションしよう

月22万円の年金をもらう夫婦の老後生活をシミュレーションしましたが、年金受給額は夫婦によってさまざまです。

高年収共働き会社員夫婦は、もらえる年金が高額なため貯蓄はほとんど必要ないかもしれません。一方で、自営業者夫婦などは年金受給額が少ないため、多くの貯蓄が必要です。

そのため、まずは自分の世帯がいくらの年金を受け取れるのかシミュレーションしてみてください。シミュレーションにより、具体的に必要な老後対策が見えてくるでしょう。

参考資料

苛原 寛