2024年を迎え、もう1ヶ月が過ぎようとしています。本格的な冬を感じる毎日、暖房器具の使用頻度が増え、光熱費が気になりますね。

近年は、食料品や生活必需品の値上がりも続いていますので、家計全体の支出が膨らんでいることでしょう。

目先の生活費のやりくりすら大変な中ですが、現役世代の皆さんは長い老後生活に向けての準備も進めていかなくてはいけません。

今回は、現在65歳以上の無職夫婦世帯の「貯蓄・年金収入・生活費」について見ていきます。

1. 【貯蓄】65歳以上世帯の貯蓄額の平均はいくら?

まずは65歳以上の貯蓄額を見ていきます。

総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2022年(令和4年)平均結果-(二人以上の世帯)」によると、65歳以上世帯のうち「二人以上世帯」の貯蓄額平均は2414万円となりました。

  • 貯蓄平均値:2414万円
  • 貯蓄中央値:1677万円

上記の通り、平均値と中央値で乖離が見られます。

平均値は一部の大きな数値により引き上げられていると考えられますので、ここでは、より実情を反映しているとされる中央値を参考にしておきましょう。

さて、中央値は1677万円ですが、棒グラフを細かく見ていくと「貯蓄格差」があることが分かります。

貯蓄額2000万円を超える世帯が全体の42.5%を占めている一方で、100万円未満の世帯は7.8%、貯蓄額が1000万円に満たないシニア世帯は約36%という結果に。

では、現在の65歳以上の方たちは年金を毎月どのくらい受け取っているのでしょうか。

2. 【年金収入】65歳以上世帯の「厚生年金&国民年金」は月額いくら?

老後生活を支える大切な収入源となる「厚生年金」や「国民年金」の月額平均を確認していきます。

厚生労働省「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、2022年度末時点の老齢年金の平均年金月額は次のとおりです。

2.1 厚生年金の平均年金月額

  • 全体:14万3973円
  • 男性:16万3875円
  • 女性:10万4878円

※上記の厚生年金受給額には国民年金(基礎年金)部分を含む。

会社員や公務員だった方が受け取れる厚生年金の平均年金月額は、14万3973円です。

ただし、上記のとおり男女差や個人差が見られるのが厚生年金の特徴の一つでもあります。

厚生年金は、現役時代の給与や賞与などの報酬と年金加入期間により年金額が決定するため、現役当時の働き方によって、将来の年金額は大きく変わることを理解しておきましょう。

2.2 国民年金の平均年金月額

同資料より、国民年金の平均年金月額も確認します。

  • 全体:5万6316円
  • 男性:5万8798円
  • 女性:5万4426円

国民年金の平均月額は5万6316円で、上記のとおり男女の差はほとんど見られません。

国民年金は全員一律の保険料(年度ごとに改定あり)を納めます。

20歳~60歳未満の40年間、全ての保険料を納めれば満額、未納がある場合は満額からその分減額される仕組みです。

現行の給付水準で見れば、極端に未納期間が長い場合を除き、6万円前後の国民年金を受け取ることができると考えられます。