3. 【2024度の年金額】2.7%増額:厚生年金と国民年金はいくらか
毎年度改定される年金額。厚生労働省より公表された、2024年度最新の年金額の例を見てみましょう。
3.1 2024年度の年金額の例(国民年金と厚生年金)月額
- 国民年金(満額):6万8000円(+1750円)
- 厚生年金※:23万483円(+6001円)
※平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43万9000円)で 40年間就業した場合、受け取り始める「老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額)」。
厚生年金はモデル夫婦となっており、1人分にすると16万2483円です。これを多いと取るか、少ないと取るかは人それぞれかもしれません。ただし、少ないと感じた人は早めの資金準備を検討してもよいでしょう。
とはいえ「どれだけ稼いでも貯蓄なんてできない……」という人もいるようです。そんな人に意識してもらいたいポイントをまとめました。
4. 高所得でも注意! 貯蓄できない人の共通点
高所得でも油断できない、貯蓄が苦手な人の共通点を2つご紹介します。
4.1 サブスク、ジム通い…固定費の支出が多い
高所得なのに貯蓄できない人の共通点1つ目は「固定費の支出が多いこと」。固定費は継続して支出が発生するため、家計に与える影響が大きいです。
たとえば月額1万円の会費がかかるジムに通えば、年間12万円・10年間で120万円の支出。貯蓄に苦手意識を抱く人のなかには、この固定費を気にせず様々なサブスクのサービスなどを契約している人も多いです。
新年度を迎えるタイミングで、サブスクサービスの利用料金や保険料、新聞代、携帯料金などの固定費を見直してみてください。
4.2 目標とする「貯蓄額」を事前に決めない
貯蓄が苦手な人の共通点2つ目は「貯蓄額を事前に決めていないこと」。
貯蓄が上手い人の多くは、毎月貯蓄する額を事前に決めていることが多い傾向にあります。貯蓄する額から逆算し、毎月使える金額を先に決めるイメージといえるでしょう。
ただし、貯蓄ができない人は計画性なくお金を使いたいときに好きなように使ってしまうのです。まずは「今月貯蓄するお金は〇万円」などと事前に決めて、確実に貯蓄できる仕組みを作りましょう。
5. 年金に頼りすぎない老後計画を
これまで60歳代・ひとり世帯の「貯蓄3000万円以上の割合」と年金月額を確認してきました。
少子高齢化の現代では、今後年金額が下がる可能性もあります。貯蓄できない人は自分のお金の使い方を見直すことからスタートしてみてください。
これを機に、預貯金や資産運用、仕事による収入など、自身に合った老後対策について考えてみてはいかがでしょうか。
5.1 【参考】60歳代・ひとり世帯の貯蓄額一覧表(金融資産を保有していない世帯を含む)
- 金融資産非保有:33.3%
- 100万円未満:8.5%
- 100~200万円未満:4.7%
- 200~300万円未満:2.8%
- 300~400万円未満:4.3%
- 400~500万円未満:2.4%
- 500~700万円未満:3.5%
- 700~1000万円未満:2.8%
- 1000~1500万円未満:6.6%
- 1500~2000万円未満:4.5%
- 2000~3000万円未満:8.0%
- 3000万円以上:15.1%
参考資料
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和5年)」
- 厚生労働省「令和6年度の年金額改定についてお知らせします」
- 厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
荒井 麻友子