2. 【企業規模・男女別】会社員の生涯年収をチェック、その差は?

独立行政法人労働政策研究・研修機構の「ユースフル労働統計2022 ー労働統計加工指標集ー」を基に、「フルタイムの正社員を60歳まで続ける場合」の生涯年収を見てみましょう。

2.1 「転職あり」の場合

転職するケースを加味した場合の生涯年収は以下の通りです。

「転職あり」の場合 :男女別・企業規模別の生涯年収

「転職あり」の場合 :男女別・企業規模別の生涯年収

出所:独立行政法人労働政策研究・研修機構「ユースフル労働統計2022 ー労働統計加工指標集ー」をもとに作成

最も生涯年収が高いのは、男性・女性共に「大学卒・従業員数1000人以上」となっています。

あくまでも目安となりますが、企業規模が大きいほど生涯年収も高い傾向にあることがわかります。

2.2 「転職なし」の場合

続いて60歳まで同じ企業で働き続けるケースも見てみましょう。

「転職なし」の場合 :男女別・企業規模別の生涯年収

「転職なし」の場合 :男女別・企業規模別の生涯年収

出所:独立行政法人労働政策研究・研修機構「ユースフル労働統計2022 ー労働統計加工指標集ー」を基に筆者作成

転職ありのケースと同様に、「大学卒・従業員数1000人以上」の生涯年収が最も高くなっています。

また、概算値ではありますが「転職なし」のほうが生涯年収はやや高い傾向にあるといえるでしょう。

3. そもそも「中小企業」の割合は全体の何パーセント?

ニュースや新聞などで耳にする機会が多く、知名度が高いとされる大企業。

しかし、中小企業庁「2023年版中小企業白書小規模企業白書」によると、中小企業の数は全企業のうち、99.7%を占めています。

【中小企業】企業数・従業員数・付加価値額の円グラフ

【中小企業】企業数・従業員数・付加価値額の円グラフ

出所:中小企業白庁「2023年版中小企業白書 小規模企業白書」

従業者数でみると、中小企業の従業者数は全体の約70%で、大企業で働いている人は全体のうち約30%。

日本の企業数を見てみるとほとんどが中小企業となっており、大企業の数は圧倒的に少数だとわかります。

統計的にみて差があるとはいえ、ほとんどの企業が「中小企業」であると理解して、自分のペースで貯蓄を進めることが重要だといえそうです。

4. 高所得貧乏にも注意! 自分にあったマネープランで計画的な貯蓄を

実際のところ大企業、中小企業で従業員の年間収入や貯蓄額には大きな違いが見て取れました。

しかし「大企業だから安心」といったわけではありません。そもそも自分に合っていない環境や仕事内容だと続けていくことが難しいかもしれません。

また、お金の面でいえば「高所得貧乏」というワードがよく聞かれます。稼いでいても金遣いが荒くなってしまえば、結局は貯蓄できているとはいえないでしょう。

これから就職、転職を検討される方は会社の規模だけではなく、仕事内容や、福利厚生などその他の条件も確認してみてください。自分のライフプランや貯蓄計画に合った、企業を選ぶのが大切です。

参考資料

西村 翼