近頃耳にするようになった「承認欲求」という言葉。SNSの「いいね!」に固執する人などに使われたりしていますが、マズローの欲求5段階説の第4段階であり、「他人に認められたい、ほめられたい」という欲求のことをいいます。

この承認欲求、現代のママもこじらせてはいないでしょうか。育児・家事・仕事に奮闘する日々の中で疲れきり、ふと「一体誰のためにここまで頑張っているのだろう?」と思う瞬間がありませんか。

疲れきってつぶやく「誰のため?」

乳幼児を育てるママは寝不足なものですし、ワンオペ育児は心身ともに余裕がありません。日々の生活に疲れきり、ふと「誰のためにここまで頑張っているのだろう?」と思うことが筆者にもありました。自分のためであり、家族のためであるはず。ただ心に何の引っかかりもないなら、「誰のため」とは疑問に思いません。改めて「誰のため」と考えると、複雑に入り組んでいるのです。

シンプルに家族と自分のためなら、そこまで頑張り過ぎなくても良いはず。それなのに必要以上に頑張ったり「完璧なママ」を目指してしまうのは、「自分の承認欲求を満たすため」でもないでしょうか。

自分の承認欲求を満たすために頑張り過ぎる

たとえば子どもはきれいな部屋よりも、オモチャの散らばっている部屋が好きです。それでも部屋が片付かないとイライラするのは、なぜでしょうか。「夫に片付いた部屋でくつろいでほしい」なら、夫の帰宅前のみ片付ければ良いでしょう。「自分がきれいな部屋が好き」という人もいると思います。ただ、いずれも子どもが小さいうちは多少の辛抱が必要です。

こういったストレートな“誰のため”ではなく、「部屋をきれいに保つことで妻として完璧に家事をこなす自分をほめてもらいたい」と必要以上に頑張り過ぎていませんか。”誰かのため”を超え、自分の承認欲求を満たすために家事や育児に打ち込むのです。

承認欲求が目的になると、必要以上に家事や育児を頑張り過ぎます。実際は子どもも夫もそこまで求めていないのに、ほめてほしくて頑張り過ぎる。それでもほめてもらえないから、さらに完璧なママを目指し、疲れ果ててイライラするといった悪循環に陥ってしまうのです。

自然じゃなくなった家事育児