3. 【厚生年金】15万円超あれば老後は安心できる?

今回は、「15万円」という金額にフォーカスして、年金受給額の現状について確認しましたが、15万円の年金収入があれば老後は安心して暮らせるのでしょうか。

総務省統計局の「家計調査年報(家計収支編)2021年(令和3年)」によると、65歳以上の単身無職世帯(高齢単身無職世帯)の消費支出は月13万2476円でした。平均的なデータでは、厚生年金の収入が毎月15万円以上あれば、毎月の生活に不足はないことがわかります。

しかし、年を重ねると健康面の不安も出てくるでしょう。

医療費が増える可能性もあるため、年金収入だけでは不足する場合に取り崩せる貯蓄は準備しておきたいですね。

4. まずは将来受け取れる年金額の確認から

ここまでで見てきた金額はあくまで平均値です。

将来の老後資金準備を始めるのであれば、自分自身が将来受け取れる見込み年金額を確認しておく事が必要です。

「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」では、これまでの年金納付状況の確認や将来の見込み年金額を確認できます。より具体的に老後資金の準備を始めるためにもぜひ活用してみましょう。

5. 老後を安心して過ごすための準備を

ひとりで月15万円を超える厚生年金を受給できる人はどれくらいいるのか?という点を中心に、今のシニアの年金事情を見てきました。

現役時代の年収によって個人差がありますが、月額15万円以上の年金を受け取っている方は意外と少ないと感じられたのではないでしょうか。

また、公的年金だけで現役時代のような収入を得ることはできないという点もあらためてご確認いただけたと思います。

現役を退いてからの残りの人生を支えるのは、年金と自分で用意した老後資金です。

老後、「もっとお金を用意しておけばよかった」と後悔しないように、今のうちから「将来のための資産形成」を検討してみてはいかがでしょうか。

参考資料

鶴田 綾