2024年3月19日、日銀がマイナス金利解除を決定しました。いよいよ「失われた30年」を脱することができるのでしょうか。

これから日本が景気回復に向かったとしても、年金暮らしがラクになるわけではありません。

少子高齢化が深刻な日本においては、今後、老後に受給できる年金額は減少傾向にあると考え、自助努力をしておく必要があります。

では、いま老齢年金を受給する世代の人たちは、毎月どのくらい年金を受け取っているのでしょうか。

今回は2023年12月に厚生労働省から公表された「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに、最新の厚生年金と国民年金の受給額を確認していきます。

1. 国民年金(老齢基礎年金)の平均年金月額

国民年金は、日本に住む20歳~60歳未満の全ての人に加入義務があります。

学生であっても20歳になると国民年金に加入し、国民年金保険料を納付しなければいけません。

自営業者などで、厚生年金に一度も加入しなかった場合には、老後には国民年金のみを受給することになります。

国民年金の受給額の平均は以下のとおりです。

  • 〈全体〉平均年金月額:5万6316円
  • 〈男性〉平均年金月額:5万8798円
  • 〈女性〉平均年金月額:5万4426円

国民年金の平均月額は5万円台で男女差はありませんでした。

国民年金は、全員一律の保険料を納付します。

40年間、全ての保険料を納付したら満額を受給することができ、未納があれば満額から減額されます。

ご参考までに、国民年金保険料は2023年度が「1万6520円」、2024年度が「1万6980円」です。

このように、保険料は見直しが行われるため、加入時期により満額受給額が若干上下することになります。

そのため、年代別でも平均年金月額を確認しておきましょう。

2. 【年金一覧表】60歳~90歳以上「国民年金」の平均年金月額はいくら?

60歳~90歳以上の国民年金の平均年金月額は以下のとおりです。

2.1 国民年金の平均月額(60歳~69歳)

60歳代の国民年金額

60歳代の国民年金額

出所:厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

  • 60歳:国民年金4万2616円
  • 61歳:国民年金4万420円
  • 62歳:国民年金4万2513円
  • 63歳:国民年金4万3711円
  • 64歳:国民年金4万4352円
  • 65歳:国民年金5万8070円
  • 66歳:国民年金5万8012円
  • 67歳:国民年金5万7924円
  • 68歳:国民年金5万7722円
  • 69歳:国民年金5万7515円

2.2 国民年金の平均月額(70歳~79歳)

70歳代の国民年金額

70歳代の国民年金額

出所:厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

  • 70歳:国民年金5万7320円
  • 71歳:国民年金5万7294円
  • 72歳:国民年金5万7092円
  • 73歳:国民年金5万6945円
  • 74歳:国民年金5万6852円
  • 75歳:国民年金5万6659円
  • 76歳:国民年金5万6453円
  • 77歳:国民年金5万6017円
  • 78歳:国民年金5万5981円
  • 79歳:国民年金5万5652円

2.3 国民年金の平均月額(80歳~89歳)

80歳代の国民年金額

80歳代の国民年金額

出所:厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

  • 80歳:国民年金5万5413円
  • 81歳:国民年金5万5283円
  • 82歳:国民年金5万7003円
  • 83歳:国民年金5万6779円
  • 84歳:国民年金5万6605円
  • 85歳:国民年金5万6609円
  • 86歳:国民年金5万6179円
  • 87歳:国民年金5万6030円
  • 88歳:国民年金5万5763円
  • 89歳:国民年金5万5312円

2.4 国民年金の平均月額(90歳以上)

90歳代の国民年金額

90歳代の国民年金額

出所:厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

  • 90歳以上:国民年金5万1974円

※65歳未満の国民年金の受給権者は、繰上げ支給を選択した者となっています。

国民年金についても65歳以降でみると、平均で月5万円台となりました。

次章では、会社員や公務員などが加入する厚生年金の受給額について見ていきましょう。