LIMOが2023年4月にお届けした記事から、注目の記事をピックアップして再掲載します。

(初掲載*2023年4月7日)

年金の受給開始が近づくと、ねんきん定期便を確認しておおよその受給額を確認する人も多いでしょう。年金見込額を把握してリタイア後の家計を具体的にイメージできることは、長い老後生活を送る上で非常に大切です。

ちなみに日本年金機構の「令和5年4月分からの年金額等について」によると、夫婦二人のモデル年金は、「22万4482円」とされています。ただし、単身世帯の場合は「ひとり分」の年金額でやりくりしていく必要がありますね。

会社員や公務員などが受け取る厚生年金については、現役時代の収入が受給額に大きな影響を及ぼします。厚生年金保険(第1号)男女全体の平均年金月額は14万3965円ですが、この金額を受け取る女性はどのくらいいるのでしょうか。

「ねんきん定期便」で知ることができる年金見込額はあくまでも額面。老後に実際振り込まれる「手取り額」とは差があります。今回は、女性の厚生年金事情や、年金から天引きされるお金について整理していきます。

【注目記事】年金を増やしすぎた夫婦を待つ悲劇。手遅れになる前に知っておくべき繰下げ受給の仕組み

1. 年金のしくみをおさらい

2階建ての公的年金制度

2階建ての公的年金制度

出所:日本年金機構「国民年金・厚生年金保険 被保険者のしおり」(令和4年4月)、厚生労働省「日本の公的年金は『2階建て』」をもとに、LIMO編集部作成

まずは簡単に年金制度をおさらいしておきます。日本の年金制度は国民年金(基礎年金)と厚生年金の2階建て構造です。基本的には65歳から受給となります。

それぞれの特徴は以下の通りです。

1.1 《1階部分:国民年金/基礎年金》

  • 加入対象 日本に住む20歳から60歳未満の方
  • 保険料 一律(年度によって変更が入ります)
  • 年金額 令和5年度満額:79万5000円✕調整率 (※既裁定者:79万2600円)

※480カ月に未納期間がある場合は差し引かれます

1.2 《2階部分:厚生年金》

  • 加入対象 主に会社員、公務員
  • 保険料 報酬比例制(毎月の報酬により決定)
  • 年金額 加入期間や納付保険料によって決定。国民年金に上乗せで支給

働き方や立場によって、加入する年金が異なります。一般的には国民年金だけを受給するよりも、厚生年金を上乗せで受け取る方が老後の年金額は多くなります。

このように年金の受給額は加入期間や収入によって異なるため、毎年の誕生月に送られてくる「ねんきん定期便」でしっかり確認しておきましょう。

50歳未満の方にはこれまでの加入実績に応じた年金額が記載されています。また、50歳以上になると「実際の見込額」が確認できるので、より正確な金額が確認できますので、定期的に確認しましょう。