2. 米国では資産が20年間で3倍に成長

下図は2000年末を100とし、20年間の日米における個人金融資産の伸び率を比較したものです。

日米の個人金融資産の伸び率(2000年末を100とし、20年間の伸び率を比較)

日米の個人金融資産の伸び率

出所:日本銀行とFRBの資金循環統計からウェルスナビ株式会社作成

米国の個人の金融資産は、2021年6月末時点で約113兆ドル(約1京2,800兆円)と、20年間で3倍以上増えました。

一方、同じ期間で日本の金融資産の伸びは1.4倍でした。資産の成長に大きく影響したのは、資産運用をしていたかどうかでした。

ただし、こうした日本の状況は、今後変わる可能性があるでしょう。

2024年に始まった新NISAが後押しとなり、資産運用をする人が増えることが見込まれます。

資産運用にまわるお金が増えれば、一人ひとりの資産が将来的に成長し、日本全体も今より豊かになることが期待できます。

3. NISAを始める前の準備とは

日米の金融資産の差を目の当たりにして、新NISAを始めようと思った人もいるかもしれません。

資産運用をするには元手(資産運用にあてるお金)を準備しなければなりません。ここで確認しておきたいのが「生活予備資金」です。

生活予備資金とは、緊急の出費や、近い将来のライフイベントに備えるためのお金です。

どれくらい必要かは一人ひとりの生活水準によって異なり、「(最低限の生活に必要なお金)×3~6か月分+(近い将来使う予定のあるお金)」で計算することができます。

生活予備資金は、資産運用にはまわさず、貯金として手元においておくことをおすすめします。

もし貯金額が生活予備資金を下回っていれば、まずはコツコツとお金を貯めましょう。

貯金が生活予備資金の目安額を上回っていれば、無理のない金額から新NISAを始めてみてはいかがでしょうか。

ウェルスナビ株式会社 小松原 和仁