3. 50歳から65歳までに「1000万円」つくりたい!積立投資でいくら積み立てる?
冒頭で申し上げたとおり、実質賃金はマイナスです。
4月からはさらに食品を中心に値上げラッシュとなり、貯蓄が難しい世帯は増えるかもしれません。
しかし、公的年金だけで老後生活を過ごすことは難しく、相応の老後資金は確保したいものです。
例えば、50歳から65歳までに「1000万円」つくるためには、低金利の預貯金だと毎月5万5556円を積み立てる必要があります。
では、”積立投資”では、毎月いくら積み立てたら1000万円をつくれるのでしょうか。
金融庁の「資産運用シミュレーション」で1~10%の想定利回り別にシミュレーションしていきます。
【想定利回り別】50歳から65歳までに1000万円つくるのに必要な毎月の積立額
- 1%:5万1516円
- 2%:4万7684円
- 3%:4万4058円
- 4%:4万635円
- 5%:3万7413円
- 6%:3万4386円
- 7%:3万1549円
- 8%:2万8899円
- 9%:2万6427円
- 10%:2万4127円
運用利回りが高くなるほどに、積立額は少額になっていきます。
運用利回りを5%と想定すると、毎月3万7413円を積立投資すれば50歳~65歳までの15年間で1000万円をつくることが可能です。
一方、想定利回り1%だと5万1516円を積み立てなければいけません。
上記はあくまでもシミュレーションであり、実際の運用は15年間ずっと同じ利回りとはいきません。
マイナスになる場合もあります。
ただし、上がったり下がったりを繰り返しながら、平均的に数%の運用利回りを達成することは決して非現実的ではありません。
0.01%の預貯金に資産を預けている間に物価が3%上昇すれば実質2.99%の目減りとなると考えたら、資産運用によって資産価値を減らさない努力は必要といえそうです。
投資にはリスクがありますので、自身のご意向に合った方法で、老後に向けて資産を築いていきましょう。
4. 50歳代、「老後」までラストスパート!
本記事では、50歳代・二人以上世帯の貯蓄額を確認してきました。
貯蓄事情は世帯によって異なるものです。同年代の貯蓄の進み具合は参考程度にながめ、自分たちのペースで老後資金確保に向けてコツコツと取り組んでいきましょう。
しかし、そうはいっても50歳代。老後を迎えるまでにそうのんびりしてはいられません。
貯蓄ができていない世帯は、毎月の給料や収入から一定額を先に貯蓄し、残りのお金で生活していく「先取り貯金」が効果的です。
ある程度、貯蓄ができたら、運用で発生した利益が非課税となる新NISA制度を利用して少額から積立投資をはじめることを検討してみると良いでしょう。
参考資料
和田 直子