2. 【考察】日本で富裕層が増えた理由:株式など資産価値の上昇

野村総合研究所の資料によると、富裕層と超富裕層が保有する資産総額の動きは以下のとおりです。

  • 2015年:272兆円
  • 2017年:299兆円
  • 2019年:333兆円
  • 2021年:364兆円

順調に上昇している様子がわかります。また、2005年と比較すると151兆円も増えていました。

背景として、株式などの資産価値が上昇したなどが考えられるでしょう。超低金利が続く今の日本では、銀行などの預貯金だけで資産を育てていくことは難しいのが現状です。

株式などの資産価格が上昇したことで保有資産が増え、結果として準富裕層が富裕層へ、富裕層が超富裕層へ繰り上がったと考えられます。

投資にはもちろん元本割れのリスクがありますが、富裕層などは積極的に運用して資産を増やしているとわかります。

「資産価値の上昇」をもう少し深堀りしてみます。もし保有資産を年率4%で運用した場合のシミュレーションを行ってみましょう。

2.1 前提条件:年率4%運用

  • 保有資産200万円:運用益8万円
  • 保有資産2000万円: 運用益80万円
  • 保有資産2億円:運用益800万円

保有資産が200万円の場合には年8万円の運用益となりますが、資産2000万では80万、2億円では800万と増えます。

同じ金利や運用期間で運用する場合には、もともと保有している資産が大きければ大きいほど有利に働きます。

つまり「お金持ちほどさらにお金持ちになりやすい」のは確かだと言えそうです。とはいえ、いまの資産額がそこまで大きくなくても上手に「お金を増やしていく」方法を見つけていきたいものですね。

いわゆるホンモノのお金持ちと呼ばれる資産家たちの共通点からヒントを得てみましょう。

3. 【富裕層】共通点から「お金持ち」を目指すヒントを得る

筆者が感じる富裕層の共通点は以下のとおりです。

3.1 本当に必要なものにお金を使う

「お金持ちはケチ」「お金持ちは豪快にお金を使う」などいろいろなイメージがあるかと思いますが、筆者は「富裕層と呼ばれる資産家たちは、必要と思ったことやモノに対してお金を惜しみなく使う」と感じます。

逆に言うと、自分が価値を感じないものに対して財布の紐を緩めることはないのです。

代表例が「趣味」や「教養」に関連する支出ではないでしょうか。「趣味」は、日々のストレスを発散したり、自分へのご褒美として意外に重要です。

「教養」においても、直接的でなくてもいずれビジネスにおける成功をたぐりよせる可能性があります。さらに多くのお金を呼ぶ結果にたどり着くための手段でもあるでしょう。

文化に触れて心身を解放させることで、明日への活力を生み出すこうした行為に、富裕層たちは価値を感じています。

こうした自己投資を重視する視点を、富裕層は大切にしているのです。

3.2 お金を増やすことにシビア

富裕層はお金を増やす情報をたくさん持っています。「手元にあるお金」から「さらにお金を生み出す」ステップに、いつも意識を向けているといえるでしょう。

同じ消費でも「投資」と「浪費」を整理できてるともいえます。

また、ふるさと納税やNISAなどの制度に対し「難しいから」と敬遠することはなく、積極的に情報を得ようとします。

その制度が最終的にお金を生み出すかどうかがを見抜き、情報収集を怠りません。

こうした価値観を持つ富裕層たちは、金融商品を選ぶ際にも「上手に資産を増やす」目的意識を忘れないでしょう。

4. まとめにかえて

今回データを確認すると富裕層は、日本に約2.6%、超富裕層は約0.2%存在します。

彼らに共通することは「思考」「行動」「判断」がしっかりと確立されていること。今は富裕層でなくても、富裕層の「思考」「行動」「判断」を模倣することは意思さえあれば誰でもできます。

今は超低金利時代。銀行に預けていてもお金が増えない時代。新しい「新NISA」などもうまく活用し、資産運用を始めて「富裕層」を目指すのも良いかもしれませんね。

参考資料

山本 大樹