4. 厚生年金と国民年金の実際の支給額「平均・ボリュームゾーン」を知る

ここまで、年金の仕組みや一度に支給される年金額を見ていきました。注意点として、

  • 増額改定になるのは6月支給分から
  • 増額だが実際に目減り
  • 1ヶ月あたり・1人あたりにすると金額の印象が変わる
  • 実際には税金や保険料が引かれるのでもっと少ない

などもあることがわかりましたね。

さらに重要な点として、実際の年金受給額には「個人差がある」ことも忘れてはなりません。

厚生労働省「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、年金の平均的な受給額は以下のとおりです。

4.1 厚生年金(老齢厚生年金)の平均受給額

〈全体〉平均年金月額:14万3973円

  • 〈男性〉平均年金月額:16万3875円
  • 〈女性〉平均年金月額:10万4878円

※国民年金の金額を含む

4.2 厚生年金(老齢厚生年金)の受給額のボリュームゾーン

  • 1万円未満:6万1358人
  • 1万円以上~2万円未満:1万5728人
  • 2万円以上~3万円未満:5万4921人
  • 3万円以上~4万円未満:9万5172人
  • 4万円以上~5万円未満:10万2402人
  • 5万円以上~6万円未満:15万2773人
  • 6万円以上~7万円未満:41万1749人
  • 7万円以上~8万円未満:68万7473人
  • 8万円以上~9万円未満:92万8511人
  • 9万円以上~10万円未満:112万3972人
  • 10万円以上~11万円未満:112万7493人
  • 11万円以上~12万円未満:103万4254人
  • 12万円以上~13万円未満:94万5662人
  • 13万円以上~14万円未満:92万5503人
  • 14万円以上~15万円未満:95万3156人
  • 15万円以上~16万円未満:99万4044人
  • 16万円以上~17万円未満:104万730人
  • 17万円以上~18万円未満:105万8410人
  • 18万円以上~19万円未満:101万554人
  • 19万円以上~20万円未満:90万9998人
  • 20万円以上~21万円未満:75万9086人
  • 21万円以上~22万円未満:56万9206人
  • 22万円以上~23万円未満:38万3582人
  • 23万円以上~24万円未満:25万3529人
  • 24万円以上~25万円未満:16万6281人
  • 25万円以上~26万円未満:10万2291人
  • 26万円以上~27万円未満:5万9766人
  • 27万円以上~28万円未満:3万3463人
  • 28万円以上~29万円未満:1万5793人
  • 29万円以上~30万円未満:7351人
  • 30万円以上~:1万2490人

4.3 国民年金(老齢基礎年金)の受給額

〈全体〉平均年金月額:5万6316円

  • 〈男性〉平均年金月額:5万8798円
  • 〈女性〉平均年金月額:5万4426円

4.4 国民年金(老齢基礎年金)の受給額のボリュームゾーン

  • 1万円未満:6万5660人
  • 1万円以上~2万円未満:27万4330人
  • 2万円以上~3万円未満:88万1065人
  • 3万円以上~4万円未満:266万1520人
  • 4万円以上~5万円未満:465万5774人
  • 5万円以上~6万円未満:824万6178人
  • 6万円以上~7万円未満:1484万7491人
  • 7万円以上~:178万3609人

1回あたりの年金額を見ると高額に思えますが、実際には年金だけで暮らすことは難しいかもしれません。

参考までに、夫婦の加入する年金ごとに受給額の目安を見てみましょう。

  • 夫が厚生年金、妻が国民年金:21万8301円
  • 夫婦ともに国民年金:11万3224円
  • 夫婦ともに厚生年金:26万8753円
  • 夫が国民年金、妻が厚生年金:16万3676円

とはいえ、平均額が全員にあてはまるわけではないので、ねんきん定期便やねんきんネットなどでしっかり目安額を把握するようにしましょう。

5. 実際の年金額は十人十色

年金額は人によって様々であり、年金だけで老後の生活が安心できるという人は多くはないのが現実です。つまりは、老後の生活に向けて年金以外の準備が必要であるということです。

働いているうちの貯金も大切ですが、それだけでは老後生活に十分とは言えないかもしれません。そこで貯金と併用して活用したいのが資産運用です。

2024年からは新NISAも始まり資産運用への注目度は高まっています。新NISAは運用益が非課税であることなどのメリットも多くあります。

しかし、資産運用といっても何も新NISAだけではありません。資産運用はやみくもに始めるのではなく、まずはどんな資産運用が自分に合っているのかなど、資産運用について知ることが大切です。

この機会に資産運用の第一歩として知ることから始めてみてはいかがでしょうか。

参考資料

大庭 新太朗