老後資金の準備をするために資産運用を検討している方が多くなっております。中でもNISA制度の活用は世代を問わず話題に取り上げられている状況です。

金融庁が2024年3月1日に発表した内容によると、国民の金融リテラシー向上に向けて官民でつくる金融経済教育推進機構を設立したことが発表され、8月から企業や学校に講師を派遣することが予定されています。

「貯蓄から投資へ」のスローガンのもと、日本では資産運用が推奨されております。

運用する以上は元本割れのリスクを負うことを承知のうえ始める必要がありますが、長期の継続した積み立て運用であれば資産を増やせる可能性が出てきます。

今回は老後生活で必要とされる「2000万円」という資金を作るためにNISA制度で毎月いくら積み立てたらいいかを確認していきたいと思います。

1. 新NISA(ニーサ)制度とは

2014年1月に創設され、2024年1月に改良され生まれ変わった「NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)」。

新しいNISAの主なポイントは以下の通りです。

【写真全8枚中1枚目】新NISAのポイント。2枚目の写真で「新NISAでの資産運用シミュレーション結果」を紹介

新NISAのポイント

出所:金融庁「新しいNISA」を元にLIMO編集部にて作成

1.1 【新しいNISAのポイント】

  • 非課税保有期間:無期限化
  • 口座開設期間: 恒久化
  • 「つみたて投資枠」と「成長投資枠」:併用可能
  • 年間投資枠: 成長投資枠「年間240万円」・つみたて投資枠「年間120万円」
  • 非課税保有限度額:全体で1800万円(成長投資枠:1200万円※枠の再利用可能)

これまでのNISA制度に比べて条件が緩和された部分が多く、より長期的な運用を見据えた投資が可能となりました。

2. 【新NISAで積立投資】「40歳が65歳までに2000万円」毎月の積立額は?

40歳が65歳までの25年間で2000万円を貯めるためには、毎月いくら積立投資をすればよいのでしょうか。

「想定利回り3%と5%」で40歳から積立投資を開始する場合の積立額をシミュレーションしていきます。

2.1 新NISAで積立投資:想定利回り「3%」の場合

【写真全8枚中2枚目】新NISAシミュレーション結果・想定利回り「3%」

新NISAシミュレーション結果

出所:金融庁「資産運用シミュレーション」

  • 目標金額:2000万円
  • 積立投資期間:25年(40歳~65歳)
  • 想定利回り:3%
  • 積立投資額:毎月4万4842円
  • 元本:1345万3000円
  • 運用収益:654万7000円

2.2 新NISAで積立投資:想定利回り「5%」の場合

【写真全8枚中3枚目】新NISAシミュレーション結果・想定利回り「5%」

新NISAシミュレーション結果

出所:金融庁「資産運用シミュレーション」

  • 目標金額:2000万円
  • 積立投資期間:25年(40歳~65歳)
  • 想定利回り:5%
  • 積立投資額:毎月3万3585円
  • 元本:1007万5000円
  • 運用収益:992万5000円

3. 【新NISAで積立投資】「45歳が65歳までに2000万円」毎月の積立額は?

45歳が65歳までの20年間で2000万円を貯めるためには、毎月いくら積立投資をすればよいのでしょうか。

「想定利回り3%と5%」で45歳から積立投資を開始する場合の積立額をシミュレーションしていきます。

3.1 新NISAで積立投資:想定利回り「3%」の場合

【写真全8枚中4枚目】新NISAシミュレーション結果・想定利回り「3%」

新NISAシミュレーション結果

出所:金融庁「資産運用シミュレーション」

  • 目標金額:2000万円
  • 積立投資期間:20年(45歳~65歳)
  • 想定利回り:3%
  • 積立投資額:毎月6万920円
  • 元本:1462万1000円
  • 運用収益:537万9000円

3.2 新NISAで積立投資:想定利回り「5%」の場合

【写真全8枚中5枚目】新NISAシミュレーション結果・想定利回り「5%」

新NISAシミュレーション結果

出所:金融庁「資産運用シミュレーション」

  • 目標金額:2000万円
  • 積立投資期間:20年(45歳~65歳)
  • 想定利回り:5%
  • 積立投資額:毎月4万8658円
  • 元本:1167万8000円
  • 運用収益:832万2000円

高利回りになるほど毎月の積立額は少なくて済みます。

利回り5%の場合は元本が約1167万円であるのに対し、運用収益だけで約832万円の成果が出ています。

長期投資による複利効果もあってのことですが、相場に合わせて機動的にポートフォリオを組みなおすなどの工夫をすれば、利回り5%は難しい水準ではありません。

これを機にさまざまなファンドについて調べてみるのもおすすめです。

では、50歳から65歳までに2000万円をつくるには、毎月いくら積み立てればよいでしょうか。

ここからは「50歳が65歳までに2000万円を貯める」ためのシミュレーション結果を紹介していきます。