日本株への影響は?米国のイラン核合意離脱だが株高・円安は続行中

テクニカル分析で日経平均を先読み

2018年5月11日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は、前日より261円30銭高の22,758円48銭となりました。2月2日以来、約3か月ぶりの高値です。取引時間中には一時、22,700円台を付けました。

米国株式市場が好調。国内好業績銘柄も買われる

米株式市場が上昇していることに加えて、国内では2018年3月期の主要企業の決算発表が相次ぎ、KDDI、スズキ、パナソニックなど、好決算を発表した銘柄が買われました。
KDDI、スズキは同日の売買代金ランキングでもトップ10に入っています。東証1部の売買代金は概算で2兆9302億円と、活況の目安とされる2兆円を超え、3兆円に迫りました。

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北朝鮮の地政学リスク、米中の貿易摩擦のリスクなどが後退したことから、国内外で投資家心理が改善しています。特に海外ではリスクオンの流れになりつつあります。

米株式相場の変動率予想を示すVIX指数(恐怖指数)は、2月6日に一時50.3を付けた後、3月から4月上旬にかけて、不安定の目安とされる20以上となる日が少なくありませんでした。ところが、その後は警戒感がゆるみ、VIXも低下基調となりました。5月10日まで6日連続で下落。1月下旬以来の低い水準となる13.23で取引を終えています。

来週以降の動きはどうなるでしょうか。米株式市場は引き続き好調です。11日のダウ工業株30種平均は7営業日続伸となり、前日比91ドル64セント高の24,831ドル17セントと3月16日以来ほぼ2か月ぶりの高値となりました。

懸念されるのは、トランプ政権がイラン核合意からの離脱を表明したことです。中東の緊張が高まると世界の原油や天然ガスの供給に大きな影響を及ぼします。先物相場では原油や金などが乱高下しました。一方で、「有事の円」と呼ばれるように、リスクが高まると円買いが進む傾向がありますが、現状は円安傾向が続いています。輸出企業にとってはメリットですが、外的要因により急に願動くこともあるので注意が必要です。

22,500円をクリア。25日線と75日線のゴールデンクロスも形成される

今週の動きをテクニカル面から振り返ってみましょう。ポイントの一つは、直近の戻り高値である2月27日の高値(22,502円)を超えることができるかどうかでした。ここを超えなければ先週にせっかく形成されたトリプルボトムが崩れてしまいます。

今週はここをはさんで短いローソク足でもみ合う展開となりました。9、10日は終値ベースで22,500円を割り込み、やや心配もありましたが、11日には大きな陽線となり、一気に上抜けました。

これにより、2月5日から6日にかけてできていた窓も埋めてしまいました。さらに、この上昇で、25日移動平均線が75日移動平均線を下から上に抜けるゴールデンクロスが形成されました。

23,000円台回復なら、24,000円も一気に近づく

チャートの形はよく、目線を上にもっていいでしょう。上値めどとしては、1月23日から3月26日までの下落の3分の2戻しの22,868円、節目として意識されやすい23,000円あたりになります。2月2日(23,274円)と5日(22,682円)の間の窓を埋めることができるかどうかにも注目されます。

22,500円~23,000円あたりは過去にもみ合ったところであり、抜けるまでには抵抗があるかもしれません。しかし、このあたりを超えると24,000円付近まで目立った節がないため、するすると上昇する可能性もあります。

7週連続上昇となっていることから、RSIなどの指標では過熱感も出てきており、短期的な若干の調整もありそうです。ただし、その場合でも、25日移動平均線あたりまでは押し目買いの好機と考えていいでしょう。

下原 一晃

ニュースレター

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下原 一晃

マーケティング会社、リクルートなどを経て、PRプランナー・ライターとして独立。
株式投資、投資信託をはじめとする資産形成や、年金、相続などに関する情報提供を行っている。あわせて、個人投資家がテクニカル理論を身に付けるためのヒントや知識の紹介にも取り組んでいる。
日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト(CMTA)。