そのとき株価はこう動いた—日本にも無関係ではない、米IBM決算からの意外な気づきとは

米IBM、14四半期連続の減収決算

2015年10月19日(現地時間)、米IBMが2015年12月期Q3(7-9月期)決算を発表しました。

市場コンセンサスに対してEPS(一株当たり利益)は上振れであったものの、売上高が未達であったことや、2015年12月期通期のEPSガイダンスを引き下げたことから、時間外取引の株価は先週末比4.8%安となりました。

株式市場でのIBMの最大の注目点は、いつ減収傾向に歯止めがかかるかですが、今四半期も売上高は前年同期比▲14%減と大きく落ち込みました。

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大幅減収の要因はドル高に加え、事業売却、新興国市場の低迷などです。為替影響を除くと売上高は同▲5%減、さらに事業売却影響も除くと▲1%減でした。

つまり、実質的には大幅減収ではなく、微減収であったことになります。

この背景としては同社が「Strategic Imperatives」(戦略分野)と位置付けているビックデータ分析やクラウド事業の寄与が挙げられます。このため、決算に対する評価は、良くも悪くもない“まちまちな決算”ということになるのではないでしょうか。

決算資料からの意外な気づきは為替影響に対する分析

以上のように、決算自体はあまり面白みのないものでしたが、同社の決算プレゼンテーションで1つ気になったのは、為替の影響に対する分析です。

非常に興味深いことは、「現状の為替レートが継続すれば」という前提付きですが、来年のQ1、Q2からは為替影響は減収要因から増収要因に変化することが示されていることです。

米国のグローバル企業はドル高に苦しめられている、というのが現時点での定説ですが、これが、今後、逆方向に変化していくことが示唆されています。

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出所:IBM決算資料より

日本企業にとっての円安効果はそろそろ終焉?

翻って日本企業は、これまで輸出企業を中心に円安の恩恵を受けていましたが、現状の為替レートが継続することを前提にすると、円安による「下駄」を享受できる期間は終わりに近づいているということにもなります。

こうしたことを頭に入れながら、今週から始まる日本での決算も見ていきたいと思います。



【2015年10月20日 投信1編集部】

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投信1編集部

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