「子供を成長させる」お小遣いのあげ方

この記事の読みどころ
小さい子供にお小遣いをあげるプラス面とマイナス面を解説します。
お小遣いは、子供の計画性を育てるものです。
子供の投資目線を育てるお小遣いのあげ方を提案します。
お小遣い制のプラス面
私はお父さんの小遣い制には断固反対なのですが、子供には小さな頃から毎月定額のお小遣いをあげるべきなのではないかと考えています。ここは親の、お金に関する考え方がもろに出る部分ですよね。
我が家では、子供が幼稚園に入ったとき(4歳)から月300円のお小遣いをあげています。もちろん、それ以外に必要なものや欲しいものを買い与えることはありますが、ゲームやお菓子などに彼らが衝動的に使える金額は決まっています。あとは、大きなものを買うのは誕生日かクリスマスですね。
続きを読む最初はあまりにお金を大切にするので大丈夫かなと心配しましたが、結局は欲望に勝てずに持っているだけ使ってしまいますし、たまに何か月分かを貯めてちょっと大きなものを買うことにトライして、挫折したりしています。ゲーム機が欲しいと言い出しては、それが60か月分の小遣いに相当することを知り、いったん諦めたりしています。
お金の教育としては、最高かなと暖かく見守っているところです。よって、お小遣い制による主なプラス面は、以下のようになるでしょう。
- お金の価値がわかる
- 世の中の仕組みがわかる
- 貯めて使う、ということを知る
お小遣い制のマイナス面
一方で、マイナス面というか問題点もあります。まず先ほど触れた「お金に対する執着」があります。子供って、本当にお金が好きですよね。将来、守銭奴になってしまうのではないかと心配してしまうほどです。ただ、それはむしろ人間の本性なので、それを抑圧するよりは正しく教育することが大切かなと思います。
また、「お金は何もしなくても天から降ってくるもの」という誤った理解をしてしまう可能性も挙げられるでしょう。毎月300円という制約条件に思考が縮こまり、面白みのないサラリーマン体質になってしまうのではないかという心配もあります。私は起業を応援する立場なので、これはちょっと心配です。
芸能人とかイノベーターとか、飛び抜けた天才を育てようと思うと、もしかしたら敢えてお金は使い放題の環境に置くという教育方針もあり得るのかもしれません。ただ、常識的で計画的な人に育って欲しいと思えば、小遣い制は効果が高いと感じます。ここは、考え方が分かれるところでしょう。
従って、マイナス面はこうなります。
- お金に汚くなる
- 何もしなくてもお金が貰えると考えるようになる
- サラリーマン根性が身に付いてしまう
シンプルな定額制がベストと考える理由
上記の「何もしなくてもお金が貰えると考えるようになる」マイナス面を補うべく、何か特定のお手伝いをしたら100円、というようなルールを設定する家庭もありますが、私はこの考え方には賛成しません。お手伝いは当たり前のこと、できれば誰かが喜ぶから進んでやること、と考えて欲しいからです。
定額を超えてお金を稼ぎたくなったら外で稼いできたら良いでしょう。ご両親のどちらかがビジネスをされているなら、親と雇用契約を結ぶという手もありますが、ベースはあくまで定額制が良いと思います。計画的なお金の管理ができるようになることが、お小遣い制の主な目的だからです。
金額がいくらであるかはあまり問題ではありません。昔は小学校1年生で100円、2年生で200円・・・だった気もしますが、さすがに少なすぎるでしょう。ちなみに、金融広報中央委員会の「子どものくらしとお金に関する調査」(第2回、平成22年度調査)によれば、小学校低学年で平均949円なのだそうです。
少なくとも、思い付いたときにたまたまお金を渡すよりは、毎月定額を与えることで子供は計画性を身につけることができます。「何でも好きなだけ買い与える」のでなければ、お小遣いは基本的には定額制が良いと思います。
投資目線を育てるお小遣いのあげ方
小さいうちはそれで良いのですが、実は子供が高校生くらいになったら試してみたいお小遣いのあげかたがあります。それは、「一生分のお小遣い」を渡すことです。100万円なら100万円、札束で一度にどんと渡してしまう。で、もうこれからはお小遣いは一切渡さないからな、と宣言してしまうことです。
投資で増やすことを推奨し、そのやり方も教えはしますが、その後は管理しません。うまく投資をして人生を切り拓いていくも良し、派手に浪費してしまってお金の怖さを知るのも良し。何かまとまったものなり自分への投資に思い切って使ってみて、その責任を引き受けてみるのも良しです。起業するのもありですね。
100万円は高校生にとってはとんでもない大金ですが、人生を通じて考えれば致命的な金額ではありません(やはり大金ではありますが)。全てを失ったとしても、ただお小遣いのない学生生活を送るだけですから、やってみる価値はあるでしょう。
それでは、また。夢とお金の専門家、シナジーブレインの安田 修でした。
【2015年9月22日 安田 修】
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