バブル崩壊からおよそ10年間、いわゆる「就職氷河期」で就職活動をしてきた世代を、「ロスジェネ世代」と呼びます。2022年を迎え、ロスジェネ世代の方の中には、50代に差し掛かった方もいます。
そんな50代ですが、実は貯蓄額が二極化していることをご存知でしょうか。今回は、二極化しているといわれる「50代の貯蓄事情」を紐解いてみたいと思います。データを参考にしつつ、今後の老後対策について考えるヒントとしてみましょう。
50代の貯蓄事情「二極化」に注目
金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯](令和2年)」によると、50代二人以上世帯の金融資産保有額は、平均で1684万円でした。
50歳代二人以上世帯の金融資産保有額(金融資産非保有を含む)
平均値と中央値では、2倍以上の差が開いていますね。これは一部の富裕層が平均値を押し上げていることが要因の一つです。貯蓄額を見るときは、中央値を参考にすると実態がつかみやすくなるでしょう。
実際、グラフをみるとわかるとおり、3000万円以上の世帯と金融資産非保有(貯蓄ゼロ)の世帯はほぼ同じ割合です。二極化している様子は、「平均値と中央値の乖離」や「分布のようす」からも一目瞭然ですね。
執筆者
株式会社ナビゲータープラットフォーム メディア編集本部
LIMO編集部記者/編集者/元公務員
京都教育大学卒業。くらしとお金の経済メディア「LIMO(リーモ)」のLIMO編集部で、厚生労働省管轄の公的年金制度や貯蓄、社会保障、退職金など、金融の情報を中心に執筆中。大学卒業後は教育関連企業での営業職を経て、2010年に地方自治体の公務員として入職。「国民健康保険」「後期高齢者医療制度」「福祉医療」等の業務に従事した。主に国民健康保険料の賦課、保険料徴収、高額療養費制度などの給付、国民年金や国民健康保険への資格切り替え、補助金申請等の業務を担う。特に退職に伴う年金や保険の切り替えでは、手続きがもれることで不利益を被ることがないよう丁寧な窓口対応を心がけた。その後、保険代理店にてマーケティング業務に従事。保険料比較サイトの立ち上げに参加した。乗合保険会社の商品ページだけでなく、保険の知識を普及するためのページ作成にも参加。ニ種外務員資格(証券外務員ニ種)保有。小学校教諭一種免許、幼稚園教諭一種免許、特別支援学校一種免許取得。
はたらく世代のお金の診断・相談サービスを行うマネイロでは、「【計算例付】厚生年金保険料はどのように決まる?ケース別算出方法や受給額を解説」など、お金や年金制度にまつわる記事を発信中。京都府出身。(2024年5月29日更新)