3月相場は意外にも腰折れが多い? 3月相場の羅針盤

この記事の読みどころ

3月4日の米国雇用統計の発表が終わった現在、3月の注目イベントは日米の金融政策関連です。このイベントを契機に、不動産や輸出関連に再度注目が集まる可能性があります。また、国内景気対策が実現するかどうかにも注視しましょう。

“お化粧買い”の出る3月の株式相場は強いというイメージがあります。実際、過去25年を振り返ると、いったんは2月末より高くなりますが、3月末には腰折れとなるパターンも散見されます。

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メジャーSQ後となる3月14日の週は、金融政策決定会合(日本、14日~15日)、FOMC(米国、15日~16日)など、日米の金融政策に関するイベントが盛りだくさんです。

先月(2月)の株式相場の振り返り

1月に続き大幅下落を記録、厳しい相場環境から抜け出せず

2月の株式市場は激しいアップダウンが続きましたが、結局は1月と同様に厳しいパフォーマンスとなりました。取引営業日20日間のうち、日経平均株価の終値が前日より上昇したのは8日間しかありません。それを反映するかのように、1月末の株価(終値)との比較では、2月末終値は▲8.5%下落しました。

なお、2月高値は+2.2%上昇、2月安値は▲15.1%下落となっています。また、2月安値は2015年末比で▲21.9%の大幅下落でした。

2016年初から始まった株式相場の下落が一層顕著となった結果ですが、安値を付けた2月12日を底に、徐々に回復基調が出始めたと言えます。年度末となる3月相場への回復期待感が、少し膨らんだことは明るい材料だったと考えられます。

過去25年間の3月の株式相場を振り返る

3月相場は強いというイメージが先行?

さて、皆さんの中には、“3月の株式相場は強い”という印象をお持ちの方も多いでしょう。この背景には、3月は決算期である会社が非常に多いため、決算対策の1つである“お化粧買い”が出て来るイメージがあると推測されます。

確かに、3月末の株価は企業の決算にとって重要な項目の1つです。とりあえず3月末の株価が高ければ…という考えは当然あるでしょう。

3月末の株価は意外にも腰折れするパターンが多い

では、3月末の株価は本当に高いのでしょうか? 「株価が高い」という定義は様々ありますが、やはり、前月末の株価、つまり、2月末の株価との比較を見てみましょう。

すると、1991年~2015年までの25年間では、3月末の株価が2月末を上回った(3月末>2月末)のは、約半分の13回あります。意外に少ないと感じた人も多いのではないでしょうか。逆に言うと、3月末の株価が2月末を下回った(3月末<2月末)ことも約半分あったということです。

もう少し視点を変えて、同じ期間における2月末と3月の高値との比較を見てみましょう。すると、25回中23回で、3月の高値は2月末を上回っています(3月高値>2月末)。かなりの高い確率です。しかも、23回のうち12回は+5%超の上昇となっており、さらに、そのうち5回は+10%以上の上昇となっています。なお、平均上昇率は+6.1%です。

出所:SPEEDAをもとに筆者作成

これらの結果から、やはり3月は、いったんは株式市場が強含むようです。しかし、それが長続きせず、月末にかけて腰折れになるパターンが見られます。確かに、年度末に利食い売りが出ても不思議ではありません。

2016年3月の注目イベント、注目セクター

3月中旬は日米の金融政策に絡むイベントが目白押し

3月4日の米国雇用統計の発表が終わった現在、3月の注目点は、何と言っても日米の金融政策ではないでしょうか。日銀の金融政策決定会合が14日~15日に、米国の連邦公開市場委員会(FOMC)が15日~16日にそれぞれ開催されます。特に、追加利上げの時期が示唆される可能性があるFOMCへの注目度が高いと考えられます。

また、18日には、1月に行われた日銀金融政策決定会合の議事要旨が公表されます。日銀初のマイナス金利が決定された会議で、どのような議論が行われていたのか関心が高まりましょう。

日米の金融政策に関わるイベントが目白押しの3月14日の週は、株価が大きく動き出すきっかけになるかもしれません。この週には、既に3月11日(金)のメジャーSQ(Special Quotation:特別清算指数)の算出日を終えていますから、株価が動きやすい状況にありますので、それだけに注視したいところです。

金融政策で動きが出やすい不動産セクター、輸出関連セクター

こうした日米の金融政策次第では、金利と為替に変化が出始める可能性もあります。したがって、この観点では、低金利メリットの大きい不動産セクター、円安メリットの大きい自動車や精密などの輸出関連セクターに注目です。また、マイナス金利導入前の株価回復が視野に入った金融セクターからも目が離せません。

国内景気対策が現実化すれば建設セクターはもう一段高も

また、昨今、平成28年度がまだ始まっていないにもかかわらず、補正予算や緊急経済対策に関する観測報道が絶えません。憶測が憶測を呼ぶという形になれば、景気対策実施により恩恵を受ける内需関連株にも注目が集まりましょう。特に、建設セクターや小売セクターに注目です。

【2016年3月8日 投信1編集部】

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投信1編集部

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