株式市場の振り返り-薄商いの中で大幅反発、新興市場は約9年ぶりの高値圏に

2016年4月19日(火)の東京株式市場は大幅反発となりました。日経平均株価は前日比+3.7%の上昇、TOPIXは+3.3%の上昇で引けています。また、東証マザーズ総合指数は+7.5%上昇し5日続伸となりました。終値でも約9年ぶりとなる1,200ポイントの大台に乗っています。

日経平均株価は、海外市場の株価上昇や円高進行一服等を受けて、前日比+306円の大幅高で寄り付きました。その後も上昇が続いた後は、前日比+570円高となる16,850円前後で推移し、大引け直前には一時+624円高となり、16,900円を回復しています。最後はやや売りに押された結果、大引けは+598円高の16,874円となりました。結果的には、前日の大幅下落を完全に取り戻した形です。

東証1部で上昇したのは1,792銘柄、値下がり118銘柄、変わらず42銘柄でした。東証1部の出来高は20億9,797万株、売買代金は2兆863億円(概算)となっています。株価指数が大幅上昇した割には、引き続き薄商いが続いています。

セクター動向と主要銘柄の動き-33業種全てが上昇、前日に大幅下落した業種に買戻し

東証1部では33業種全てが上昇しました。上昇率の上位は、銀行+5.8%、海運+4.4%、保険+4.4%、非鉄金属+4.2%、電気機器+4.2%、輸送用機器+4.2%などでした。一方、上昇率が小さかったのは、建設+0.7%、医薬品+1.7%、電力・ガス+1.7%などでした。前日に大幅下落したセクターが買い戻された一方、前日に唯一上昇した建設セクターが僅かな上昇に止まるなど、好対照な動きが見られました。

個別銘柄では、ファーストリティリング(9983)が大幅上昇した他、指数寄与度の大きいファナック(6954)、KDDI(9433)、ソフトバンクグループ(9984)、京セラ(6971)なども軒並み値を上げました。他には、ソニー(6758)、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)、TDK(6762)なども+6%超の上昇となっています。一方、数少ない値下がり銘柄の中では、ニコン(7731)、大林組(1802)、中外製薬(4519)などの不振が目を引きました。

本日のポイントと注目テーマと関連業種-買い戻しの後は揺さぶりを仕掛けられる危険あり

18日(月)に▲572円下落した日経平均株価は、19日(火)は+598円高となって下落分を取り戻しました。連日で600円近い値動きが生じるボラティリティの大きい相場になっています。このように連日、大幅安と大幅高を繰り返す相場のことを、昨今では“バンジージャンプ相場”と呼んでいるようです。筆者が考えた呼称ではありませんが、言い得て妙だと感心してしまいます。ちなみに、筆者はバンジージャンプの経験はありません。

しかし、個人投資家にとって、バンジージャンプ相場は要注意です。無暗矢鱈に売買を行うと大火傷する可能性があります。確かに、昨日今日で、上手く売買すれば大きな利益を獲得できたでしょうが、それは結果論です。バンジージャンプのゴムが切れることも珍しくありませんから、慎重に行動して欲しいと思います。

さて、大幅高となった19日の相場を振り返ると、基本的には前日の買い戻しです。明日以降の方向性はまだ定まっていないと見ていいでしょう。薄商いに終わったこと、及び、前日に上昇した建設セクターが僅かな上昇に止まったことがそれを物語っています。

そのような中、20日(水)は方向性を模索する動きが予想されます。月末の日銀金融政策決定会合を睨んで、短期資金の投機的な動きが、上下に揺さぶりを掛けてくる可能性がありますので注意しましょう。引き続き、建設セクター、不動産セクター、小売セクターなどの内需関連銘柄で割安感が強いものに注目したいと思います。輸出関連セクターでは、19日の買い戻しが小幅に止まった電機セクターの一角が狙い目となるかもしれません。

【2016年4 月19日 投信1編集部】

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LIMO編集部