株式投資の「しくじり者」が伝えたい、下げ相場で含み損が出た時の心得

下げ相場をしのぎ切るのが資産形成の肝

このところ、日本の株式市場は下落が止まりません。少し前のアベノミクスの上昇相場の熱気はすっかり消えてしまいました。少し反発したかと思っても長続きしません。弱気相場になってしまったと言ってもいいでしょう。

この数年、個人投資家の間で改めて投資ブームが来ていたのではないでしょうか。「デフレからインフレ」「ゼロ金利・マイナス金利」「ROE経営」などといった掛け声に合わせ、将来を真面目に考えている方ほど、真剣に資産形成を考え、株式や投資信託、外国株や外国資産への投資を始めた方がいらっしゃると思います。

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そんな矢先の株安、円高です。「熟慮して始めた資産形成なのに、含み損が出た」という方もいらっしゃるかもしれません。

筆者は運用の仕事に長く携わってきました。今こうして皆さんにメッセージを書いていますが、正直失敗の連続です(もちろん成功もありますよ)。バフェットのような賢者ではなく、投資の「しくじり者」です。そんな筆者が学んできた教訓をご紹介したいと思います。

含み損は心に巣食う“がん細胞”になる

含み損、これが厄介です。まず気持ちが重くなります。「これだけ上がれば含み損がなくなる、これだけ下がると含み損が巨額になる」と、つい自問自答を繰り返します。「なぜ含み損になったのか」と原因を究明したくなります。「自分は正しい投資をしたが、運が無かった、市場が間違っている」などと筆者はよく考えたものです。

率直に言って、含み損を抱えると、無駄なことに時間を浪費していまいます。正常な投資判断が難しくなるのです。

含み損に悩むなら、いったん含み損を実現してしまうのもアリ

含み損についてあれこれ考える時間が増えた、そんな自覚症状が出た段階でその含み損を実現する(実現損を出す)のが、心の健康には良いと筆者は考えます。

そう、そう言われても、ちょっと抵抗がありますよね。でも、もしそのポジションをそのまま持ち続けて勝算があるなら、多少コストはかかりますが、一度売却して改めてゼロから同じポジションを組めばいいのです。重要なことは「今まっさらな状態で、そのポジションを新たに取りたいのか」ということです。

含み損に悩まない場合とは

筆者は多くの失敗を経験していますので、今ならば、「居心地の悪い含み損はさっさと解消し、居心地の良い含み損は存置ないし買い増す」ことができるようになりました。

ここで言う「居心地の良い含み損」とは何でしょうか。含み損に悩まない場合とは、たとえば次のような場合です。

■長期投資が可能で、長期的に成長期待が高く、現在の株価はそれをまだ十分に織り込んでいないと、心から確信を持てる場合

  • 成長株や世界株投信など

■企業の財務基盤(自己資本、現金、資産の質、負債の大小)から見て、現在の株価が低すぎる場合

  • バリュー株

筆者は、居心地の良い含み損は実現せずにそのままにします。

下げ相場では、投資家は自分のポジションを持ち続ける信念や確信の度合いを試されます。自分自身の投資方針の気づきの場だと捉えると良いでしょう。あまり時間を浪費することなく、本当に自信のあるポジションを選別し、そこに向けてじっくりと投資を増やしていくことが望ましいと思います。

底値を当てるのは簡単ではありません。そんな時は少額ずつ時間を分けてポジションを作りましょう。忙しい方は、投資信託の積立が役に立ちます。

将来のインフレリスクや足元の低金利という投資環境の基本は従来から特に変わっていません。下落相場は「安く買う」チャンスですので、ぜひうまく活用して長期の資産形成にお役立てください。

【2016年4月6日 投信1編集部】

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投信1編集部

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